初のJリーグ監督を経て描く“夢” 新潟アカデミーを変革、日本の育成の「先を行きたい」

メソッド部門を設立 「変わっていく可能性は凄く感じています」

 今年新潟は、スペインの名門バルセロナでアカデミーの指導経験を持つアルベルト・プッチ・オルトネダ監督以下2人のスペイン人コーチを招き、新体制をスタートさせた。

「現在クラブではメソッド部門を設立し、スペイン人指導者たちの知恵を借りながら、変革のスピードを上げています。変わっていく可能性は凄く感じています」

 そう言って吉永は続けた。

「まだ日本には、明確なフィロソフィーを持ち、ゲームモデルがあって、それに即した選手育成をできているクラブがありません。だからこそ、先を行きたい。新潟のアカデミーは違う、そういうものを見せていきたいと思っています」

 クラブ最年長の52歳、未だ夢の途中だ。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)



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加部 究

かべ・きわむ/1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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