“アイデア勝負”の金沢、コロナ禍の減収に立ち向かう 「ライブショッピング」の成果とは?

事業企画部MD兼ホームタウン推進室の中野由茉さん【写真提供:ツエーゲン金沢】
事業企画部MD兼ホームタウン推進室の中野由茉さん【写真提供:ツエーゲン金沢】

エア遠征プランに続く新たな試みを実施 事業企画部の中野氏が語る舞台裏

 新型コロナウイルスによる減収が見込まれるなか、浦和レッズや鹿島アントラーズ、サンフレッチェ広島といったJ1で優勝経験があるビッグクラブも新たな収益確保の道を模索している。J2の金沢はこれまでも「バブリーナイト」や「うんこスタジアム」などアイデア勝負のイベントを開催してきたが、この難局においてもアイデアを駆使して未知のフロンティアに踏み出し、新たな金鉱を探し始めている。

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「スタジアムへの写真パネル設置+特産品」をビジターサポーター向けに販売する「エア遠征プラン」は、チケット収入が減るなかで金沢が行った新たなチャレンジ一つ。そしてもう一つ紹介したいのがライブショッピングだ。いわゆるテレビショッピングのオンライン版で、金沢はこれを6月7日に初めて開催し、その1週間後にも再度行った。

「(1度目の)売り上げは1時間半で20万円ほど。オンラインショップだけでセールをやっても半月で16万円ほどなので大成功ですね」と話すのは金沢の事業企画部MD兼ホームタウン推進室の中野由茉。こう紹介するより、今年の裏マスコット総選挙を制した人物と説明したほうが早いかもしれない。いわゆる「グッズ販売の女」だ。

 実は金沢というクラブは収益に占めるグッズ販売の割合が大きい。昨年度の営業収益に占める物販の割合は約8.7%。これは現時点で決算が公開されているJ2クラブのなかでは2番目に高い数字だ。ただし、これまではスタジアムでの販売が6割強。試合が開催されない、たとえ開催されても人数制限がある状況では減収は必至だった。

「うちは実店舗をもっていないのでお客様も分かりにくいし、商品のよさも伝わらない。だから買ってもらえない。お互いにマイナスだったので、素材やサイズ、魅力を伝えたかった」と中野。そしてここに一つの偶然が重なる。クラブは今シーズンからSNSでの番組配信に力を入れる予定だったため、自ら発信するための機材と技術が整っていたのだ。こうなれば金沢というクラブは迷わない。結果的にライブショッピングは新たな価値を生み出すことに成功した。

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