原口元気はロシアW杯日本代表の“生命線” 献身的な上下動で「ミドルプレス」を機能させた

[図3]中島が攻め残りになった場合の最悪に近い状況【画像:著者提供】
[図3]中島が攻め残りになった場合の最悪に近い状況【画像:著者提供】

森保ジャパンの“日本式ミドルプレス”、今後の問題点

 森保監督になってからは堂安律、南野拓実、中島翔哉の2列目が攻撃面でロシアW杯を上回るものを披露している。ただ、基本的に上下動だった乾と違って、中島は広範囲に動く。攻撃面ではプラスだが、中島が守備に入れない問題も出てきた。

 図3は中島が攻め残りになった場合の最悪に近い事態を表したものだが、5レーンは全く埋まっていないうえ、大迫、南野、原口、遠藤航、柴崎がポジション修正を余儀なくされる。5人の第一ラインを形成して強引にハイプレスにすることもできないではないが、それをやるにはラインが深すぎる。しかもロシアW杯を継承したチームは、ハイプレスの3条件を依然として満たしていない。かといって、ミドルプレスに整えるには全体に負荷がかかりすぎバランスが悪い。これは目下の問題点だろう。

 中島を最初から中央に置く、五輪世代で使っている3-4-2-1を採用するなど、いくつかの対策はある。いずれにしろ、なんらかの修正は必要だと思う。

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(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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