矢板中央の“想定内”と“誤算” 無念の4強敗退も指揮官が称賛「感動し、驚き、誇らしく…」

矢板中央の高橋監督がピッチで選手たちに言葉を伝える様子【写真:Noriko NAGANO】
矢板中央の高橋監督がピッチで選手たちに言葉を伝える様子【写真:Noriko NAGANO】

大会3得点のMF左合、スタメン出場も負傷の影響で38分に交代

 そのうえ、この静岡学園戦は「押し込まれるのは想定内」だったなかで誤算もあった。高橋監督はスタメン出場して大会3得点していたMF左合修土に、カウンターの起点となる攻撃のタメを作る役割を期待していた。しかし「腰を痛めてしまって、使ったんですが試合を見ていたら前半から全く動けていなかった」と、38分間で諦めざるを得なかった。それにより、全体的に後方で耐える展開を余儀なくされてしまったのは痛恨だった。

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 そんな状況でも、矢板中央は必死に守った。4強に残った静岡学園、青森山田、帝京長岡(新潟)には全てJ1かJ2のクラブに内定している選手がいたこともあり「技術的なところは完全に相手が上。それを認めて、できることをやろうと。私たちは普通の高校サッカーレベルのチームです。それでも頑張ればここまで来られるんだというものを出せたのではないかと思います」と、指揮官はその意義を話した。

 そして、高橋監督は「初戦からここまで4試合、1試合ごとに成長していく姿に感動して、驚き、誇らしく思います。諦めずに体を張って、全員サッカーをしてくれました。今日は押される場面がほとんどでしたけど、よく頑張りました」と、選手たちを称えた。

 矢板中央としては3回目の準決勝で、またしても決勝進出は叶わなかった。それでも、埼玉スタジアムのピッチで彼らが見せてくれたものは、サッカーがチームスポーツであるという原点を思い出させるような姿だったと言えるはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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