インテル長友も泣いた選手権8強の壁を破った! 東福岡が駒澤大高を破り17年ぶりの4強進出

98年以来の頂点へ、準決勝で星稜と激突

 これで1998年度に優勝して以来17年ぶりの4強進出となった。森重監督は当時コーチとして指導にあたり、現在総監督となった志波芳則監督の後を受けて監督に就任。そんな指揮官には、自身の手で選手権制覇を成し遂げたいという気持ちが非常に強くある。

「OBには選手権にも出られなかった悔しい時期を過ごした生徒たちがいます。そうした反省が、今の生徒たちにも生かされています。今のチームだけでなく、先輩たちが残したものは財産です」

 スタンドから見守った志波総監督も、勝利に顔をほころばせた。

「長友たちの時もそうでしたが、3回戦やベスト8が壁になっていましたね。インターハイを勝ったことで選手たちにも自信がついたのでしょう。守備が強くなり、最後の最後で止め切れるようになりましたね」

 インテルの日本代表DF長友佑都がボランチだった2年生の時、準々決勝で滝川二高(兵庫)に敗れるなど、近年の東福岡には8強の壁が存在した。今季J2北九州に移籍した元日本代表MF本山雅志らを擁して、“雪の決勝戦”を制した97年に続き、98年大会と連覇を果たし、高校サッカー界の強豪となりながら、その後は選手権で結果を出せていなかった。しかし、今夏のインターハイに続く高校サッカー二冠に向けて、この選手権で力強く歩みを進めている。

「監督としてインターハイは優勝させてもらいましたが、選手権で優勝監督になるのは私の夢です」

 森重監督が夢と語る決勝進出と優勝へ向けた次の関門は、前回王者の星稜高校(石川)に決まった。注目の決戦で、その夢を現実とすることはできるだろうか。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

 

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