劇的な同点弾を生んだ”福岡愛” 7年ぶりに戻った古巣で果たした約束の言葉

普段はクールな中村が流した歓喜の涙

 福岡のMF中村北斗は6日、C大阪とのJ1昇格プレーオフ決勝で、終了間際に起死回生となる同点弾を挙げてチームを救った。大会規定により、引き分ければ昇格が決まる一戦。得失点差で自動昇格を逃したが、2012年から始まったプレーオフで、初めて3位のクラブがJ1への切符を手にした。5年ぶりのJ1昇格へと導いたのは、中村の“福岡愛”だった。

 後半42分、自陣から前線にパスを送ると、そのまま猛然とゴール前まで駆け上がった。すると、左サイドから抜け出たボールに右足をふり抜く。足下を離れたボールは鋭い軌道を描き、ゴールネットを揺らした。その場面を「ゴールは逆サイドを狙っていた。アウトサイドに引っ掛けようとしたが、意外とまっすぐだった」と笑顔で振り返った。

 今季からプロのキャリアを歩み始めた福岡へと帰ってきた。2009年にその地を離れて以降も常々、感謝の思いを口にしてきた。だからこそ、7年ぶりに袖を通すユニホームの重みは少し違っていた。ただし、変わらず温かく迎えてくれたサポーターたちのために、人知れず重圧と戦い続けた。

「J1に上げるために戻ってきた」

 一意専心――。ただひたすらに、その使命を全うした。普段はクールな男が「(試合後に)泣いちゃいました」と明かすのだから、喜びの大きさは想像に難くない。

 

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