教え子に断たれた昇格の道 C大阪指揮官が語ったJ2最強軍団の”敗因”

長年指導した中村に決められた一撃

 勝負を決定付ける2点目を奪えず、逆に終盤に失点。その運命を分けたゴールは、U-20W杯やFC東京、さらには大宮でも指導した中村に決められた。「サッカーは何が起こるか分からない」と口にした指揮官にとっても、このいたずらな巡り合わせを予期することはできなかったはずだ。

「本当の意味でのセレッソの底力が少し足りなかった分、こういうことになった。またそれを見直し、積み重ね、しっかりチームとして作って次の目標に向かっていくことが大切だと思う」

 大熊監督は記者会見中、何度も「良くやってくれた」と選手を気遣う言葉を発した。今季のJ2では群を抜く戦力を誇りながらも逃した、1年でのJ1復帰。シーズン途中でフォルラン、カカウら主力選手がチームを去り、11月にはパウロ・アウトゥオリ監督を更迭した。最後は、今季から強化部長となった自らがチームを指揮したものの立て直せず。屈辱にまみれたシーズンの悲劇的な結末を、大熊監督は努めて前を向きながら受け止めようとしていた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

 

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