バレンシア会長が監督辞任発表会見で金満代理人との決別を表明 「顔も見たくない」
C・ロナウドらの代理人への不満爆発
スペインの強豪バレンシアは、ヌーノ・エスピリト・サント監督が11月30日のセビージャ戦に0-1で敗戦した後、辞任を表明した。クラブのレイフン・チャン会長は記者会見を開き、サント監督がクラブを離れることを認めた上で、代理人のジョルジュ・メンデス氏に対して「顔も見たくない」と決別を表明している。スペイン紙「AS」が報じた。
チャン会長は暫定監督としてサルバドール・ゴンサレス氏が指揮を執ることを発表し、「重要なことは、我々が団結して今の困難な状況を乗り越えること」と、切り出した。2日のスペイン国王杯バラカルド戦、5日のバルセロナ戦は、ゴンサレス氏の指揮下で戦うと見られている。9日には、決勝トーナメント進出を懸けたUEFAチャンピオンズリーグのグループステージ最終戦も控えている。それを乗り越えるための団結が必要だと強調した。
そして、記者からサント元監督の代理人であるメンデス氏についての質問が飛ぶと、いら立ちをあらわにしながら語り始めた。
「もう、メンデスについての話を記者会見のたびにするのはうんざり。もし、メンデスがクラブをコントロールしているというなら、ヌーノは今も監督としてバレンシアにいる。次の監督は、もうあの代理人の顔を見なくてもいい人間になるのは間違いない。その上で、名前には言及しないが、リーダーシップがあり、私たちのチームを活性化してくれる人物になる」
会長は、メンデス代理人の影響力がクラブに色濃いという報道を打ち消すように強い口調で話し、事実上の“絶縁宣言”を突き付けた。サッカー界で最も影響力があり、レアル・マドリードのFWクリスティアーノ・ロナウドや、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督など最も高額なクライアントを抱え、金満代理人とも称されるメンデス氏だが、顧客の売り込み先のリストからスペインの強豪クラブを1つ削除する必要に迫られたようだ。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images