J2愛媛に山瀬功治あり 元日本代表MFが後ろ姿で語る反攻の青写真「これくらいはできる」
千葉戦は山瀬投入で怒涛の攻撃開始 近藤も証言「功治さんが入って流れが変わった」
愛媛FCは10日に行われたJ2リーグ第27節ジェフユナイテッド千葉戦で、3-2と鮮やかな逆転勝利を飾った。今季初の3連勝を飾り、勢いづいてきたなかで最年長の元日本代表MF山瀬功治の存在は欠かせないが、当の本人は「もともとこれくらいはできるチームだと思う」とさらなる巻き返しに期待を込めた。
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序盤から左ウイングバックのDF下川陽太を中心に攻め込んだ愛媛だが、前半6分、24分の決定機をものにできず、同33分にDF前野貴徳がペナルティーエリア内で相手選手を倒してPKを献上。これを千葉FW船山貴之に決められて先制を許すと、その3分後には左サイドからのクロスをFWクレーベに押し込まれ、一瞬にして2点のビハインドを背負った。
巻き返しの第一手として、後半開始から投入されたのが山瀬だった。FW神谷優太をボランチにスライドさせて、3-4-2-1システムの左シャドーに入ると、次々とギャップに顔を出して攻撃を活性化していく。後半12分にFW近藤貴司が獲得したPKを自ら決めて1点を返すと、同14分にこぼれ球をいち早く拾った山瀬のロングフィードから愛媛がカウンターを仕掛け、下川のスーパーミドルで同点。その後も流動的にポジションを取りながら展開する山瀬を起点に攻め込み、後半アディショナルタイム4分に途中出場したFW丹羽詩温の劇的な決勝ゴールで3-2と逆転勝利を飾った。
愛媛の川井健太監督は、千葉が第26節終了時点で総失点38のうち後半29失点していることから「後半に巻き返せるかなという感覚を持っていた」という。そのなかで山瀬は、「入ったポジションがシャドーだったので、できるだけ相手の間、間、嫌なところ嫌なところで受けようと思ってやっていました。僕にできるのはそういうところになるので」と“黒子役”を買って出た。
ギャップを突く熟練の動きはもちろんだが、フリーランニングやセカンドボールを拾いに懸命に走り、守備にも全力を注いだ。30度を超えるなか、かつて日本代表でもプレーした37歳のベテランがピッチを奔走する姿はひと際目についた。シャドーでコンビを組んだ近藤は、山瀬の投入で流れが変わったと証言する。
「ピッチレベルでも、功治さんが入って流れが変わったのは感じました。功治さんはキャリアも人柄も、誰からも尊敬される選手だと思います。ぐっぴーさん(GK岡本昌弘)さん、タカくん(前野)も含めてですけど、上の人たちが僕たちを引っ張ってくれていて、ピッチにいるだけでありがたいです」