東京Vは現代Jリーグの「草刈り場」 俊英を生み、引き抜かれる“選手供給クラブ”の運命

欧州の“草刈り場”は国内では圧倒的なビッグクラブ

 ポルト(ポルトガル)やシャフタール・ドネツク(ウクライナ)も、アヤックスと似た供給型のクラブである。ただアヤックス、ポルト、シャフタールはそれぞれの国のリーグでは圧倒的なビッグクラブであり、引き抜かれた分は補強もしている。エース級を引き抜かれつつ、新たな人材を他チームから引き抜いて戦力を維持しているわけだ。

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 Jリーグ自体、ヨーロッパクラブの草刈り場になりつつある。

 今季も鹿島からは安西幸輝(→ポルティモネンセ)、安部裕葵(→バルセロナ)、鈴木優磨(→シント=トロイデン)がヨーロッパへ移籍。横浜F・マリノスの天野純(→ロケレン)も然り。Jリーグクラブはシーズン途中に主力を引き抜かれることを前提に、補強と編成を行わなければならなくなっている。ヨーロッパにおけるアヤックスやポルトのような地位を確立したクラブが、これからのJリーグのトップに君臨するようになるのではないだろうか。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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