ベンゲル監督が代表選手の負担軽減を求め、FIFAに最後通告 「今こそやるべきだ」
メガクラブが独自開催の大会を開く可能性を示唆
アーセナルのアーセン・ベンゲル監督が、選手の故障と酷使防止のために、FIFAに対してインターナショナルマッチデーの日程軽減を突きつけている。アーセナルの公式サイトが伝えた。
FIFAは、ゼップ・ブラッター会長をはじめとする高官の贈収賄などの汚職問題で逮捕者が続出し、危機的状況に追い詰められている。さまざまな改革が迫られる中、フランス人指揮官は、そのメスは国際親善試合や、国際大会の試合日程にも及ぶべきだ、と要求している。
「今こそやるべきだ。欧州選手権は16チームから24チームで争われることになった。このシステムでいけばFIFAの会長に新たに選出される会長はワールドカップ(W杯)を32チームから40チームに増やすだろう。なぜなら、アフリカは現在ワールドカップに5チーム。欧州は13チーム出場となっているが、こんなことは長く続かない。欧州の枠を削減することはできない。もしも、FIFAの会長になりたければ、アフリカの国々からの票が必要だ。そうなるとアフリカにもっと利益をもたらさなければいけない。だから、次のW杯は40チームになる」
FIFAの組織内の権力争いがW杯や欧州選手権の出場枠を増やすことにつながり、その結果、国際Aマッチの試合数増加を招きかねないという。そうなれば、選手の負担と消耗はさらに増してしまう。
あらためて名将は、「シーズンを戦い抜いた選手が休めない状況になっている。クラブ、代表、国際大会で摩擦が起きている」と言い、FIFAに最後通告を突きつけている。
「いつかクラブが『もう十分だ。我々が最高の選手に大金を支払っているのだから、自分たちで最高のメンバーを集めて大会を主催する』と動く可能性もあるんだ」
拝金主義を突き進む汚職まみれのFIFAからメガクラブが離れ、独自の大会を開催する可能性も指摘していた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images