テロに屈しない仏代表 仏紙が国歌の歌い出しを見出しに表現した団結の意志

高らかにフランス国歌“ラマルセイエーズ”を

 同時多発テロ事件が、13日にパリで発生し、世界中を震撼(しんかん)させた。郊外のスタッド・ドゥ・フランスで行われていた国際親善試合のフランス代表対ドイツ代表戦の試合中にも近くのレストランや、スタジアムのJゲート付近で爆発が起こり、4人が亡くなったと報じられた。それから4日が経過し、17日にフランス代表はイングランド代表と、敵地ウェンブリー・スタジアムで国際親善試合を行う。17日のフランス紙「レキップ」は、一面の見出しを「Allons Enfants」として報じている。

 このワードは、フランス国歌である「ラマルセイエーズ」の出だしだ。歌詞は「Allons enfants de la Patrie(行こう、祖国の子どもたちよ)」と始まる。13日のテロ事件は、フランス代表の面々に大きなショックを与えた。MFラサナ・ディアラはいとこが殺害された。FWアントワーヌ・グリーズマンの家族は惨劇から脱出。こうした状況の中でも、23人全員が気丈にこの親善試合への参加を表明したことに対し、レキップ紙は大きなサポートの意志を表している。

 イングランド代表は、フランス代表に対して心から寄り添う気持ちを表明しているとも報じている。ロイ・ホジソン監督も「フットボールの世界は団結し、これらの凶悪な行為に立ち向かう」と結束を宣言した。これは、単なる強豪国同士の親善試合というだけではなく、サッカー界の団結心を表現する一戦にもなる。

 同紙はこうも伝えている。

「ロンドンのスタジアムでは、フランス国旗の色の服を着て、高らかに『ラマルセイエーズ』が歌い上げられる」

 テロには屈しないという強い意志を表明したフランスと、フランス代表。その強い意志と団結の思いが、試合開始前の「ラマルセイエーズ」に込められるはずだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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