日本代表に厳しい現実 「デュエル勝率」は大会ワースト、インテンシティー不足を露呈

全12チーム中最下位と厳しい現実を突きつけられる結果となった【写真:Getty Images】
全12チーム中最下位と厳しい現実を突きつけられる結果となった【写真:Getty Images】

ウルグアイに健闘こそしたが、3試合を通したデュエル勝率は41.3%と低迷

 ブラジルで開催されているコパ・アメリカ(南米選手権)は、グループリーグ全日程を消化し、ベスト8が出揃った。データ分析会社「オプタ」はグループリーグのデュエル勝率を公開。日本代表は全12チーム中最下位と厳しい現実を突きつけられる結果となっている。

 招待国として参戦した日本は、代表チームに選手の拘束権がなく、所属クラブに派遣義務もないため、DF長友佑都(ガラタサライ)やDF吉田麻也(サウサンプトン)、FW大迫勇也(ブレーメン)ら主力クラスの招集が叶わなかった。そのなかで、森保一監督は東京五輪世代を18人選出、平均年齢22.3歳(大会開幕時)と若い陣容で大会に臨んだ。

 初戦のチリ戦では、“潰し屋”で知られるMFアルトゥーロ・ビダル(バルセロナ)らに球際を制され、後半はショートカウンターから立て続けに失点。空中戦でも“武闘派”のDF植田直通(セルクル・ブルージュ)が負ける場面があり、A代表デビューとなったFW前田大然(松本山雅FC)は、「全員が守備をして体を張るので、上手いだけじゃないと改めて感じた」と印象を語っていた。

 ウルグアイ戦ではボール支配率40%のなかでFIFAランキング8位の強豪相手に2-2と健闘したとはいえ、MF安部裕葵(鹿島アントラーズ)がタッチライン際でドリブルを仕掛けた際も、DFホセ・ヒメネス(アトレチコ・マドリード)に難なくボール奪取されてしまった。エクアドル戦も高い位置からプレッシャーをかけにきたインテンシティーの高い相手に、押し込まれる時間帯が続く場面もあった。

 データ分析会社「オプタ」は、グループリーグのデュエル勝率を公開。日本は「41.3%」で全12チーム中ワーストだったという。数字を見ると、上位3チームはウルグアイ、ブラジル、コロンビアと各グループの首位チームが並んでいる。デュエル勝率の高さが、試合を優位に進めることと大きくリンクしているのを改めて示す結果となった。

 安部はエクアドル戦後、「強度」の違いを課題に挙げていた。今大会は東京五輪世代中心のメンバーだったというエクスキューズはあるとはいえ、自国でのオリンピックで上位進出を見据えるうえでも、インテンシティーの強化は不可欠となりそうだ。

1位 ウルグアイ 56.6%(C組1位)
2位 ブラジル 54.6%(A組1位)
3位 コロンビア 53.9%(B組1位)
4位 チリ 52.2%(C組2位)
5位 カタール 52.2%(B組4位)※
6位 ペルー 51.4%(A組3位)
7位 エクアドル 50.0%(C組4位)※
8位 ベネズエラ 48.8%(A組2位)
9位 アルゼンチン 47.5%(B組2位)
10位 パラグアイ 47.0%(B組3位)
11位 ボリビア 44.6%(A組4位)※
12位 日本 41.3%(C組3位)※
※はグループリーグ敗退

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