「堂安を脅かす真の存在」 日本、コパ・アメリカでの“発見”は? 英記者が名指しで太鼓判

(左から)MF中島、MF久保、MF三好【写真:Copa America&Getty Images&AP】
(左から)MF中島、MF久保、MF三好【写真:Copa America&Getty Images&AP】

南米強豪国を相手に浮き彫りとなった課題と手応え MF三好の今後には太鼓判

 日本代表は現地時間24日、コパ・アメリカ(南米選手権)グループリーグ第3戦でエクアドル代表と対戦。1-1と引き分け、決勝トーナメント進出を逃した。試合は前半15分にMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)が先制点を奪うも、同35分に失点。後半も再三にわたって決定機を迎えるもゴールに結びつけることができず、2分1敗で大会を去ることになった。

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 この結果を受け、かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏は、グループリーグ敗退を喫した日本に対し、「3試合で多くのものを習得することができた」と本気の南米強豪国を相手に戦った経験の重要性を説きつつ、今大会で印象的な活躍を披露したMF三好康児(横浜F・マリノス)について「今後数年かけて右サイドの堂安を脅かす真の存在となるだろう」と太鼓判を押している。

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 来週にポルト・アレグレで行われる準々決勝でブラジルと対戦する見込みがあったものの、名残惜しさを残したまま、コパ・アメリカにおける日本の冒険はエクアドル戦をもって幕を閉じた。3試合で2ポイントにとどまったが、チリ戦の惨敗、そして、勝つことができた、というより、勝つべきだったウルグアイ戦のドローをきちんと振り返り、次なる戦いで前進するために、日本の失敗となった原因となる要素を浮き彫りにしていかなければならない。

 チリ戦では、たとえ大敗には値しない出来であっても、4失点を喫してしまった事実は、決勝トーナメントに進むうえで間違いなく日本の足を引っ張るものとなった。初戦では未熟さを露呈したが、その次の試合では森保監督は状況の修正を行うため異なるアプローチを敢行し、改善を施してみせた。特にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は残酷な判定となり、南米はアジアよりもジャッジの水準が低いことが立証されることになった。しかし、不条理な経験は若い代表メンバーにとって価値あるレッスンとなったはずだ。

 日本の南米での滞在は、全員にとって多くのものを得る機会となったことは間違いない。エクアドルが常に最終ラインにプレッシャーをかけてきていたことで、DF冨安健洋(シント=トロイデン)がかき乱される姿をおそらく我々は初めて見ることになった。何度か簡単にボールを失っていたので、ボールを持っている場面でもっと冷静さを保つことを学ぶ必要があるだろう。しかし、彼はまだ若く、疑う余地なく改善し成長していくはずだ。

 DF岩田智輝(大分トリニータ)が大会を通して成長を見せた一方、冨安の相棒であるDF植田直通(セルクル・ブルージュ)は安定していた。DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)はポテンシャルを開花させるためにやるべきことがたくさんあるが、特に攻撃参加を見せた場面では前途有望な兆しは示した。また、DF板倉滉(フローニンゲン)も大会を通して改善を見せ、チームの年長として役割を与えられたことを楽しんでいるように見えたMF柴崎岳(ヘタフェ)と並んでプレーしたことは、日本の中心選手としてプレーしていくうえで、求められるレベルの水準を把握することができるようになるだろう。

マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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