ミラン首脳部の失態? 完全移籍させた新鋭MFをリバプールが5倍の移籍金で獲得か
迷走したトップ下の解決策だった可能性も
逃した魚はあまりに大きかったのだろうか。ACミランは1月に元イタリアU-21代表で23歳の若き司令塔リッカルド・サポナーラをエンポリに期限付き移籍で放出。エンポリは昨季の段階で400万ユーロ(約5億2000万円)の移籍金を支払い、完全移籍のオプションを行使していたが、サポナーラは今季4得点と大活躍。リバプールが来年1月の移籍市場で1420万ポンド(26億2700万円)の移籍金で獲得に動いているとイタリア地元紙「トゥット・スポルト」が報じている。
リバプールの新監督に就任したクロップ監督はすでに1月の移籍市場での補強ポイントをリストアップしているという。その有力候補がサポナーラだという。イタリア王者ユベントスも獲得を狙う新鋭は身長184センチというサイズに加え、テクニックも誇る。味方のゴールをアシストするプレーが得意でトップ下が本職だが、サイドでもプレーできると名将は評価しているという。
プレミアの強豪が狙うほどの逸材となったサポナーラは昨季途中にミランで出場機会を失い、エンポリに5億円程度で売却された。だが、わずか1年で26億円という評価を受けるほどのヨーロッパでの注目株となり、その価値は5倍に膨れ上がっている。
ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督は今季トップ下の実力者を獲得できることができず、日本代表FW本田圭佑らを司令塔に起用した4-3-1-2システムをシーズン序盤で諦める経緯があった。サポナーラはトップ下をこよなく愛するシルビオ・ベルルスコーニ会長にとっての回答になった可能性もある。
4-3-3システムへの変更でチームが好転の兆しを見せているミランにとっては大きな損失だったかもしれない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images