再建を図る名門ミラン、ガットゥーゾ監督の後任にサンプドリア指揮官の引き抜きが有力

サンプドリアのジャンパオロ監督【写真:Getty Images】
サンプドリアのジャンパオロ監督【写真:Getty Images】

レオナルド氏SDが辞任、ガットゥーゾ監督が退任 クラブ方針も転換へ

 イタリアの名門ACミランは、28日にスポーツ・ディレクター(SD)を務めた強化責任者の元ブラジル代表レオナルド氏の辞任と、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の退任を発表した。黄金期を知るOBが相次いで去ることが決まったクラブは、後任にサンプドリアのマルコ・ジャンパオロ監督の引き抜きが有力で、クラブ方針の変化もあるという。イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」が報じている。

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 ミランは昨季までの中国資本から、今季開幕前に経営権が米ファンド「エリオット・マネジメント」に移った。それに伴い、かつて鹿島アントラーズでも活躍したレオナルド氏を招へいし、ガットゥーゾ監督は留任。ユベントスからアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインを1年間の期限付き移籍で獲得するなどしてシーズンをスタートした。

 しかし、イグアインは半年で買い取りオプションを行使しないことを決定して契約を打ち切り、ジェノアでブレークしたポーランド代表FWクシシュトフ・ピオンテクを冬の移籍市場で緊急補強。将来性もあるブラジル代表MFルーカス・パケタも獲得した。それでも、リーグ最終節まで4位以内のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の可能性を残したものの、最終的に勝ち点1届かずの5位に終わって来季はUEFAヨーロッパリーグ(EL)に出場する。

 現場と強化責任者が去ったチームは、12月に最高経営責任者(CEO)に就任した元アーセナルのイヴァン・ガジディス氏を中心に再建を図ることになる。夏の移籍市場が迫るなかでガジディス氏は監督人事の早期決着を望み、そこではサンプドリアの監督を務め国内でも戦術家として評価の高いジャンパオロ氏が最有力候補とされた。

 一方で、名門として“選手を買う”立場だったミランは、その方針に変化があるという。エリオット・マネジメント以下、ガジディス氏も欧州サッカー連盟が定めるファイナンシャル・フェアプレー制度(FFP)に抵触するラインを前後する状況を打破することを最初の一歩とする必要があるという認識で、しばらくは選手を“育てて売る”立場になることを方針に定めたとしている。

 ミランにはイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマら欧州のビッグクラブからも注目される若手も所属している。そうした選手たちを囲い込むのではなく、資金源にする動きが夏の移籍市場で起こる可能性は少なからずある。

 ユベントス、インテルとあわせてイタリアで“北の3強”とも呼ばれる名門は、その曲がり角に差し掛かろうとしている。

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(FOOTBALL ZONE編集部)



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