【現地取材記者対談③】ザックジャパンはなぜ敗れてしまったのか 2年目から成長スピードが落ちていった日本代表 次期監督に「4年」の縛りは必要なし

監督のスパンは4年間じゃなくてもいい

 

北  ロシアW杯に向けて、これから日本サッカーの強化策を考えてみたいと思います。

佐藤 アギーレ監督になるという話が出ているけど、「4年間」という縛りは変えてもいいんじゃないかなと思う。アジア予選を突破するための監督、W杯で勝ったことのある監督という風に分けてもいいと思っている。同じ監督でずっとやることのメリットはあるけど、同じ監督のもとでは慣れも出てくるし、刺激が足りなくなってくるというデメリットもある。

北  今回のチームも2年目ぐらいから成長スピードが止まってしまった感じがありますよね。チームとしてのピークはアジア最終予選のオーマン戦、ヨルダン戦あたりだった。あそこから、何人かの選手がパフォーマンスを落としてきて、それに代わるような選手も出てこなかった。

佐藤 そうだよね。

北  2年+2年ぐらいのスパンでもいいし、もしかすると最後の1年間だけを託してもいいかもしれない。

佐藤 あと、外国人監督が必ずしもいいとは思わない。今のアジア予選のレベルを考えれば、日本人監督でもできるんじゃないかな。それからザックジャパンはコーチ陣をイタリア人で固めたけど、W杯出場経験のある元日本代表選手を入れてもよいと思う。オランダはパトリック・クライファートがいたけど、ああいう人がいればチームが調子を落としたときに選手の話を聞いてあげたり、経験を伝えたりもできる。監督が連れてきたスタッフだけじゃなくて、橋渡し役になれる存在を置いておくというのも大事なんじゃないかな。

北  期待している選手はいます?

佐藤 僕らが見ていない選手が出てきてほしい。スイスの久保裕也や、下のカテゴリーの選手もそうだし。もちろん、今回出た選手の中では山口なんかは次の世代でキャプテンをやるぐらいになってきてほしい。

北  僕は長友や本田がどういうスタンスでやるのかに興味がありますね。「世界一」を目標にしてやってきた中で、これからも同じようなやり方でやるのか、それとも他のやり方をやるのか。

佐藤 我を押し通すだけでなく、チーム全体のことを考えられるようになってほしい。香川もそうだけど、こういった痛い思いをしたことが次につながるからね。

北  そうですね。

北健一郎●文 text by Kenichiro Kita

 

※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
詳しくは、「LEGENDS STADIUM 2014 – FIFAワールドカップ公式動画」まで

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