【現地取材記者対談③】ザックジャパンはなぜ敗れてしまったのか 2年目から成長スピードが落ちていった日本代表 次期監督に「4年」の縛りは必要なし

北  ギリシャ戦で引き分けて、コロンビアには勝つしかなくなった。コロンビア戦の前にトレーニングがオフになって、ザッケローニ監督と原博実専務理事兼技術委員長が記者会見を行うということになって、「ザック解任か?」という推測が流れました。実際、現場ではどうだったんですか?

佐藤 僕はイトゥのところの合宿所に行って、そこで知らされたんだけど、ただ解任する場合は大仁邦弥会長も来るはずなんですよ。だから解任はないだろうと思っていたけどね。新聞記者の人たちなんかは相当慌てたみたいだけど。

北  コロンビア戦の試合前には決起集会をして、改めて自分たちのサッカーをやろうということになった。精神面ではまとまったかもしれない。でも、コロンビアの実力を見ていれば、普通にやれば厳しいのは明らかだった。

佐藤 コロンビアがメンバーを落としてきてくれて、それもあって日本は前半に関しては戦えていたと思う。岡崎慎司の同点ゴールが決まった時間帯も良かったしね。

北  でも後半にハメス・ロドリゲスが出てきてから大きく流れが変わってしまった。ザックジャパンでは何回か見られたパターンですよね。高い位置からプレスをかけにいって、後半になって息切れして、ディフェンスに過剰な負荷がかかってしまう。

佐藤 点を取らなければいけなかったんだけど、前半からだいぶ走ってたから、内田も長友もかなり疲れていた。そういう面ではもったいなかった。交代もボランチに使ったのはもったいなかった(青山敏弘→山口蛍)。サイドバックが疲れていたのは明らかだったから、そこを代えるべきだったと思う。

北  このサッカーでうまくいかないときはDFラインの選手は犠牲者になりますよね。前の選手が簡単に奪われてカウンターを食らって、長い距離を走って戻らなければいけないというシーンが多発していた。僕はボールを失ったときに前で奪えないというのが、このチームの最大の問題点だったと思うんですよ。人数をかけて攻めているから、ボールを失った時点ではプレスをかけられる状態にある。そこでのインテンシティが低いから、簡単にファーストプレスを突破されてしまう。ディフェンスが未整備なままで、攻撃のところばかりを強調してしまったのが、この結果を招いたと思います。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング