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リバプール監督就任初戦で試されるクロップの手腕 故障者続出にも泰然自若
野戦病院と化した前線
リバプールのユルゲン・クロップ新監督は、17日のトットナム戦で就任初戦を迎える。この船出を前に、いきなり大きなアクシデントが待っていた。イングランド代表FWダニー・イングスと、U-21同代表のFWジョー・ゴメスの有望株2人を膝の前十字靱帯(じんたい)断裂で欠くことになってしまったのだ。ここに、今夏に獲得した2選手も加わる故障者続出の異常事態にも名将は平常心を貫くと、英地元紙「ガーディアン」が報じている。
ゴメスはU-21英代表のカザフスタン戦で、イングスはイングランド代表合宿中にいずれも今季絶望の重傷を負うことになった。そして、今季開幕前に約63億円の移籍金で獲得したベルギー代表FWクリスティアン・ベンテケとホッヘンハイムから約57億円の移籍金で獲得したフィルミーノも故障で離脱している。
相次ぐ主力離脱の中で臨むスパーズ戦となったが、指揮官は微動だにしなかった。
「私は起用できない選手については考えないということを学んだ。ずっと悩んでいても幸運を手にするチャンスなどない」
前線は手薄となるが、「我々にはこのポジションにはダニエル(スターリッジ)と(ディボック)オリギがいる。2人のストライカーがいれば、これ以上私は必要ない」と言い切った。デビュー戦での主力不在という痛手にも弱音を一切吐かなかった。
そして、試合に臨む選手たちにはこう訓示を伝えた。
「走れ、戦え、シュートを打て。一緒に守り、一緒に攻める。フットボールに関するこれ以上ない夢のように、だ。さらなる勇敢さ、楽しみを選手の目に感じたい。彼らの能力を私は見たいんだ」
故障者続出に嘆く暇はない。名将はチーム改革を情熱をもって進めることに集中している。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images