忍び寄る老いを実感してきたという名手だが、日本人選手との縁も深かった。2000年にローマでセリエA優勝時には中田英寿氏と同僚だった。インテル時代には日本代表DF長友佑都、そして、FW柿谷曜一朗と同時期にインテルからバーゼルに加入した。長友は冗談を愛する豪快なサムエルの人柄に好感を寄せていた。
「何か自分を熱中できるものを探すことにするよ。私はまだ若い。フットボーラーとしてではなく、他の部分ではね」
　引退後の計画はまだないという。アルゼンチン代表出場56試合。1996年にアルゼンチン強豪ニューウェルズ・オールドボーイズでデビュー以降、20年間プロとして戦い続けてきた歴戦の勇士が惜しまれながらフィールドを去ることになる。