「6戦目にして“真の日本”が見えた!」 “大迫あり”の森保Jの大会優勝に英記者が太鼓判

「日本は冷静さ、プロフェッショナリズム、そして冷酷さも示した」

 冨安が日本の守備のスターだったとすれば、攻撃面でチームを導いたのが大迫だった。開幕戦のトルクメニスタン戦でゴールに背を向けて放ったシュートを外して負傷した時から、日本は彼の賢さと強さを失ったままの戦いを強いられていたのだ。大迫と同じレベルの狡猾さと存在感を森保一監督に示せるFWは、他にいないだろう。

 何よりも重要なのは、大迫は周囲にいる選手を輝かせることだ。今大会で初めてMF南野拓実(ザルツブルク)は効果的なプレーを見せた。大迫の周りを動き回った時も、スペースを作って日本の中盤に新たな選手を走らせた時も、実に機能的だった。イランの選手が、笛が鳴るのを聞く前にプレーを止めた時、鋭い動きを見せていた南野が先制点を演出したのは、少しも驚きではなかった。

 試合を仕切っているのが審判であり、選手ではないというのは、世界中で子供たちがサッカーと関わり始めた時から叩き込まれていく、このゲームの基本だ。しかし、イランはこれを忘れてしまい、南野に大迫の先制点を生むクロスの供給を許した。イランは、自分たちを責めるしかないだろう。

 クリストファー・ビース主審が、DFモルテザ・プラリガンジのハンドを認め、PKを与えた時、彼らは試合がより難しくなったことを実感しただろう。そして、リードを広げる大迫のPKが決まった時、1点でも返すのが困難に見えていたイランが、逆転する姿を想像するのは難しかった。そして、MF原口元気(ハノーファー)の3点目は、試合を決定づける象徴的なゴールとなった。

 試合後にケイロス監督が認めたように、リードを許してからのイランはモチベーションを保つことができなかった。つまり、先制点が決まった時点で、勝者になるチームは一つしかなかったのだ。日本は冷静さ、プロフェッショナリズム、そして冷酷さも示した。これが何を意味するか? 2月1日の決勝で対戦する相手がどこであろうとも、優勝に近いのは日本であるということだ。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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