「サッカーとは改めて面白いな、と」 35歳の“リベロ”長谷部誠、ドイツでの飽くなき探究心

長谷部が肌で感じた対戦相手の変化と、自らが示した“打開策”

 試合序盤は膠着した状況が続いた。長谷部が述懐する。

「前半30分までは相手もかなり研究してきて、ブロックを作って守備をしてきたので、なかなかチャンスを作れなかったです。やっていてちょっと難しいなと感じていたので、後ろからの組み立てで少し変化をつけたり、ロングボールを使ってみたり……」

 フランクフルトはシーズン序盤にヒュッター監督が新たな戦術を用いたものの躓き、その後は前任のニコ・コバチ(現バイエルン・ミュンヘン監督)が生み出した3バックシステムを復活させ、その代名詞とも言えるリベロポジションに長谷部を据えたことで成績が上向いて公式戦11戦無敗を記録した。そしてELではグループステージ全勝で決勝トーナメントへ進出し、リーグでもFWのヨビッチとアレが得点王争いで前半戦ワンツーフィニッシュを飾るなどして好位につけている。

 しかし、そんな好調の影で、チーム最年長で豊富な経験を備える長谷部自身はチームの総合力を正しく認識したうえで、自らのチームが対戦相手に研究されつつあることを自覚してもいた。

「自分が怪我で離脱する試合(EL・ラツィオ戦/2018年12月13日)の前あたりから、最後尾の自分に対して厳しくマークに来るチームが増えてきたと感じていました。相手のプレッシャーを受けてもしっかりゲームを展開できるかどうか。それが今後の鍵になるとは思っているんです」

 フライブルク戦での長谷部は有言実行の如く、後方でのショートパスによるビルドアップから機を見たロングフィード供給へと切り替える。彼がターゲットに定めたのは、最前線に陣取るFWのアレだった。

 抜群の空中戦能力を誇るアレは長谷部からのフィードを相手DFと競り合い、そのことごとくに勝利した。周囲で構えるヨビッチ、レビッチの各FW、後方からフォローするボランチのセバスティアン・ローデ、ゲルソン・フェルナンデス、そしてサイドエリアに据えられるダニー・ダ・コスタ、フィリップ・コスティッチは、そのアレの挙動を確信的に見極めて動き出し、セカンドボールを回収していく。

 攻撃への糸口を見出したフランクフルトは、その流れから前半36分から45分までの9分間でアレ、レビッチ、ヨビッチがそれぞれゴールを叩き込んで試合の趨勢を決めてみせた。

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島崎英純

1970年生まれ。2001年7月から06年7月までサッカー専門誌『週刊サッカーダイジェスト』編集部に勤務し、5年間、浦和レッズ担当を務めた。06年8月よりフリーライターとして活動を開始。著書に『浦和再生』(講談社)。また、浦和OBの福田正博氏とともにウェブマガジン『浦研プラス』(http://www.targma.jp/urakenplus/)を配信しており、浦和レッズ関連の情報や動画、選手コラムなどを日々更新している。2018年3月より、ドイツに拠点を移してヨーロッパ・サッカーシーンの取材を中心に活動。

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