韓国代表ソン・フンミン、“沈黙打破”のゴールを母国メディア期待 「エースの宿命」

韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】
韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】

厳しいマークに周囲を生かすプレーに集中も、韓国ファンが求めるのは“エースの働き”

 韓国代表のエースFWソン・フンミン(トットナム)の調子がイマイチ乗ってこない。

 21日のアジアカップ16強バーレーン戦で延長戦の末に2-1と勝利を収めたなか、期待されたソン・フンミンは徹底的なマークに遭い、思うようなプレーができていなかった。

 韓国のスポーツ総合ニュースサイト「SPOTVニュース」は、「試合を見たファンにとっては、すっきりしなかったに違いない。エースであるソン・フンミンは不振だった」と報じている。

「韓国のエースは誰がなんと言おうとソン・フンミンだ。しかし、この日の試合は動きが鈍かった。コンディションが良くないため、シュートやドリブル突破よりも、パスを選択するシーンが多かった。確実にゴールを決められるソン・フンミンだが、周囲を生かすプレーに集中していた」

 ソン・フンミンは13日のプレミアリーグ第22節マンチェスター・ユナイテッド戦(0-1)にフル出場後、14日に合流。休息はわずか1日で、16日のグループリーグ第3戦中国戦(2-0)にトップ下として今大会初出場を果たした。ハードな日程の影響以上に、プレミアリーグで絶好調のソン・フンミンを警戒し、対戦国が対策を練ってきている。FWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)やFWファン・ヒチャン(ハンブルガーSV)など得点力のある選手は他にもいるが、より警戒すべきはソン・フンミンだということだ。

「相手の守備がソン・フンミンに集中すれば、周囲を生かすプレーをするしかない。トットナムではハリー・ケインやデレ・アリ、クリスティアン・エリクセンなど警戒すべき選手がいるので、相対的にソン・フンミンはマークから外れやすい。しかし代表では違う。これはエースの宿命だ」

 記事ではこう締めくくられ、エースとして乗り越えるべきミッションだとしている。それでも韓国ファンは、ソン・フンミンの爆発を信じて疑わない。25日に行われる準々決勝カタール戦でも先発出場が濃厚なエースに、国民はゴールを期待している。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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