過去5回のアジア杯にない日本代表の姿 トルシエ以降の外国人監督と異なる“采配の妙”とは?

「試合こそ最善の練習場」 割り切って選手をピッチへ送り出す

 ワンタッチパスなどのタイミングは選手の感性に頼るところが多い。今回は怪我で辞退した中島翔哉と南野拓実、堂安律の3人による繊細なワンタッチのパス交換や、パスの出し手と受け手の絶妙なタイミングによる即興的なプレーは、パターン練習で身につくものではない。そのことを森保監督は知っているため、「試合こそ最善の練習場になる」と割り切って選手をピッチに送り出した気がしてならない。

 クラブチームと違い、代表チームは年間の試合数も限られている。だからこそアジアカップは最大7試合、期間にして1カ月のキャンプができる。そこで試合を重ねることでコンビネーションを少しでも高める。それが森保監督の、今大会におけるもう一つの目標ではないだろうか。

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(六川亨 / Toru Rokukawa)



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六川 亨

1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。

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