浦和FW武藤雄樹、殊勲の2ゴールの陰にあった監督とヘッドコーチからの“W要求”

「俺の前ではゴールを決めてないぞ、と発破をかけられることもあった」

 1点リードを奪うと鹿島は反撃への圧力を強めたが、武藤は中盤の右サイドで守備を助けながらハードワークを続けた。オリヴェイラ監督は「興梠と武藤のどちらかを代えようと話していたなか、武藤の調子の良さを感じた」と、興梠を交代に指名して武藤を残した。そして、後半アディショナルタイムにはハーフライン付近の右サイドでボールを受けると一気にドリブル突破。90分以上をプレーしたとは思えないキレで3人を置き去りにすると、GKとの1対1を決めてダメ押しの一撃とした。

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 オリヴェイラ監督は試合後「武藤は私が浦和に来た時に、コンディションや自信の面で不満があった。彼には勇敢にプレーすることを求めてきた」と言及。武藤にそのことを伝えると「オリヴェイラの練習を積んで、すごく体が動いていることを感じる」としたうえで、これまでにかけられてきた声を明かした。

「チームのために献身的にやってくれていると言ってくれて、そこで自信をつけようとしてくれたのかなと思います。ただ、『俺の前ではゴールを決めてないぞ』と発破をかけられることもありました。もちろん、そこで貢献したいとは思っていましたし、マリノス戦でゴールを決めた時は一緒になって本当に喜んでくれたんですよ。これからもゴールで助けたいと思っていたので、今日はその通りになって良かったですね。今日は2点とも自分のなかでは気持ちの良いゴールでした」

 武藤が触れた9月16日のリーグ第26節横浜F・マリノス戦は、4月のヴィッセル神戸戦以来の今季2点目、まさにオリヴェイラ監督の就任から初ゴールだった。献身性を評価して常にスタメンで起用しつつ、ゴールへの野心を後押ししてきた指揮官にとっても、この大一番で武藤が試合を決める2得点をしたことは格別だっただろう。

 この勝利で、浦和は4位・鹿島との勝ち点差を1に詰めてラスト4試合を迎えた。常に労を惜しまずにプレーする背番号「9」は、「これを積み重ねて、天皇杯とかタイトルを決めるような試合で結果を出したい」と決意を語っていた。

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