リベンジの切り札は94億円の刺客 プレミアリーグ2015-16【マンC編】

今季も「攻撃的なマンC」を

 それでも、チームを率いるマヌエル・ペジェグリーニ監督は今季に向け、強い自信をのぞかせている。

「昨年は2位だったが、今年はタイトルを獲得したい。今季は5、6チームでの接戦 が予想される。シティが再びタイトルを勝ち取ることを確信している」

 昨季はチェルシーにプレミア王者の地位を譲り、無冠に終わった。指揮官は解任のうわさが飛び交っていたが、続投が決定。そして、今季も自らの攻撃的なスタンスを貫く意向だ。

「シティは最もゴールを決めるチームとして継続性を示している。とても重要なことだ。あらためて勝利をつかむチームであることを証明しているのだから」

 チームにさまざまな課題を抱えているチリ人の名将は、今季正念場を迎える。無冠なら解任は免れない。まさに背水の陣。そんな後のない自らの命運を、94億円で連れてきた青年に託しているのかもしれない。

「あれだけの金額を支払った理由を、これから見せることができる。彼 (スターリング)は非常に良い選手であり、我々になかったものをたくさん持っている」

 FA協会の規定順守のみのために、クラブにやってきたわけではな い。スターリングはデビュー戦のインターナショナル・チャンピオンズ杯ローマ戦でデビュー弾を決めると、ベトナム代表との親善試合でも2得点を挙げた。1日のシュツットガルト戦でも2アシストと結果を残し、攻撃陣の主役に名乗りを上げている。ペジェグリーニ監督は、その才能に賛辞を惜しまなかった。

 マンCの武器はサイドの掌握。中央からの鋭いスルーパスでサイドから攻撃を組み立て、相手ゴールを脅かす。ピッチをワイドに使うのが特徴だ。このようなサッカーで最も輝く選手こそ、スピードに乗った縦への仕掛けを得意とするスターリングなのである。

 守備の改善ではなく、さらなる攻撃の向上に努めたスカイブルーの富豪クラブ。奪い去られた栄冠を取り戻すべく、攻撃的で貪欲な チャレンジャーとして、優勝争いに乗り込む。

 

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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