ハリル監督がJに提言 強化担当責任者会議で「日本のフットボールはもっと違うレベルにいける」と熱弁

国内組合宿への協力も要請

 ハリル監督は、日本代表の活動スケジュールについてもJリーグの各クラブへ協力を要請した。
「この大会に、トレーニングなしで臨まなければならないことも話した。彼らにしても私同様、リーグのカレンダーには意見を言いたいと思っているのではないか。色んなことを修正していきましょうとも話した。日本代表がより良い結果を出せば、皆さん協力してくれると思う。それから国内組での合宿もしたいという話もした。それに対し、しっかりオーガナイズしていきましょうと。同意しないクラブもあると思います。ただこの前のミニ合宿で、我々は完璧な仕事をしたと思っています。ミニ合宿は大成功に終わった。全選手が私のところに来て話す機会を持てた。たくさんの選手がA代表でプレーしたいと言った。彼らには野心がある。彼らにも、より良い環境を与えてあげたい。大きな仕事は彼らのクラブでやらなければいけない。彼らはリーグの中、クラブの中でもっともっとトレーニングできる環境を整えてあげたい」
 2014年のブラジル・ワールドカップではアフリカの雄であるアルジェリアを率い、世界王者となったドイツを最も苦しめたチームを作り上げた。その後に指揮を執ることとなった日本では、ここ10年ほどの間に海外でプレーする選手も大幅に増え、アジアではその地位を確立した。しかし、W杯では1勝も挙げられぬままブラジルを後にした。優勝が至上命題のアジアカップもベスト8で敗退と、苦戦が続いている。
 ハリル監督はこうした事態を受け、国内リーグが充実していく必要性を説いている。日本人は「能力があって、足元のテクニックもある」というのがハリル監督の評価だ。それでも、世界で勝つには足りないものが多くある。Jリーグが世界基準のリーグへと成長することが、W杯で結果残す道につながっている。ハリル監督は、期待を込めつつこう締めくくった。
「私は批判するためにここ(日本)に来ていません。助けるために来た。なにかあっても責任を取るのは代表監督です。ただ、私にもクラブにも責任がある。そういったことを突き詰めていこうと話した。そして私が期待しているのはJリーグがより高いレベルになること。特にプレーのスピード、球際の戦う意識のところをさらに上げていきたい」

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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