「本当にイラついた」DF昌子、拳でピッチ叩き感情露わ 励ます言葉をかけたのは…

昌子を優しく励ます言葉をかけ続けたのは宇佐美だ【写真:Getty Images】
昌子を優しく励ます言葉をかけ続けたのは宇佐美だ【写真:Getty Images】

小学生の頃から知る1992年生まれの盟友・宇佐美がかけた言葉

 うなだれていた昌子を引き上げたDF長友佑都は「若い選手が泣いていたけど、『次に行くぞ、ここで終わりじゃない』と行動で示したかった」と明かしている。チームメイトが次々歩み寄るなか、言葉をかけた一人が同じ1992年生まれで、小学校の頃から知るMF宇佐美貴史だ。「(宇佐美)貴史がいろんな言葉をかけてくれた」と昌子は口にしている。

「自分を励ますような言葉をずっとかけていてくれた。でも、その言葉は言いたくない。俺と宇佐美だけ分かっておけば……」

 宇佐美は今大会、不完全燃焼に終わった一人だ。W杯グループリーグ第2戦セネガル戦(2-2)の後半42分から途中出場した一方、先発した第3戦ポーランド戦(0-1)は後半20分までプレーするも敗戦。そして迎えたベルギー戦は出番なく終わった。

 深く傷つく同期を見た宇佐美は自らの心情は脇に置き、昌子を優しく励ます言葉をかけ続けたという。同期二人の世界だった。取材エリアに現われた昌子の顔は、どこか晴れ晴れとしている。もちろん、心の整理はまだついていない。それでもピッチを叩き続けて、感情を露わにしていた男の姿はそこになかった。

 いろいろ不甲斐なかった――。冷静に自分を見つめ直し、反省しながら再び歩みを進めようとする25歳のディフェンダーがそこにいた。

(FOOTBALL ZONE編集部・大木 勇 / Isamu Oki)



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