齋藤の心を刺激したハリルの“経験不足”発言 「代表よりもマリノスで」の一言に込めた決意

代表2連戦出番なしで、チームも不在の間にルヴァン杯敗退 「ショックが大きかった」

 日本代表指揮官の言葉が、この男の成長速度を早めることになるのだろうか。横浜F・マリノスのMF齋藤学は、10月のワールドカップ(W杯)アジア最終予選の2試合、イラク戦(2-1/6日)とオーストラリア戦(1-1/11日)に向けた日本代表に追加招集されたが、出番を与えられないままチームにとんぼ返りとなった。バヒド・ハリルホジッチ監督から「経験不足」を指摘された齋藤が、その悔しさをバネに成長を誓っている。

 齋藤は22日のJ1セカンドステージ第15節のガンバ大阪戦に先発フル出場した。代表戦後初となる実戦では、MF中村俊輔ら主力選手不在のなかで後半30分に一時勝ち越しとなるゴールを奪った。代表に選ばれた好調ぶりを維持してピッチで躍動し、「チームとしてルヴァン杯の借りを返したかった」という齋藤は、2-2の引き分けについても「結果は悪くない」と手応えを語っていた。

 自らの力を証明するために重要な一戦だった。この試合の前、齋藤はある練習後に「ショックが大きかった。気持ちを切り替えるのが難しかった」と苦しい胸の内を明かしていた。自分が不在のなかでチームがルヴァン杯敗退。そして日本代表での屈辱が、齋藤の気持ちを大きく動かした。

 11日に敵地で行われたW杯アジア最終予選のオーストラリア戦。日本は先制しながら追いつかれる展開だったが、PKによる失点シーン以外では相手に決定機を与えなかった。一方で攻撃も手詰まりの印象が強く、打開策が求められたが、ハリル監督が最初の交代カードを切ったのはゲーム終盤の後半37分、負傷したFW小林悠に代えてMF清武弘嗣を投入した。指揮官はこの後手に回ったように見えた采配について、「齋藤や浅野(拓磨)は経験がなく、プレッシャーに負けてしまうのではないかという不安もあった。もしかしたら、もっとフレッシュな選手を入れるべきだったかもしれない」と語り、経験不足を理由に局面打開力に優れた齋藤の投入をためらったと明かしていた。

 

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