ブラジルで7年間プロ生活を送るFW東城利哉 日本で「枠にはめられるのが嫌だった」

憧れのブラジル1部の舞台で待っていた歯がゆい日々

 チームはその年の暮れにブラジル選手権1部に昇格。憧れの大舞台でのプレーが待っているはずだったが、現実は違った。

 15年にはブラジル全国選手権1部で何度もベンチ入り。しかし、なかなか出場機会は巡ってこず、ベンチを温める日々が続いた。監督が代わった16年にはチャンスも増え、サンタカタリーナ州1部リーグで念願のデビュー。相手選手を股抜きしたプレーが紹介されるなど、大手の「グローボ」をはじめ地元メディアでもその存在は大きく取り上げられ、ブラジル全国選手権2部リーグにも出場した。

 だが、なかなか先発の座はつかめず、途中出場の機会が与えられても短時間のみ。再び全国選手権1部に昇格した17年もベンチ入りの機会こそあれ、結局、出番は州1部リーグのみで、カズ以来となる全国選手権1部リーグのピッチに立つことはできなかった。そしてチームも、再び全国選手権2部に降格した。

 そんな折、同年暮れに同じサンタカタリーナ州1部のインテル・ジ・ラージスからレンタル移籍のオファーが舞い込んだ。クラブの規模は小さくなるが、出場機会を増やす絶好のチャンス。クラブの会長からは残留を熱望されたが、公式戦で4年間ゴールから遠ざかっていた東城が下した決断は、1年間のレンタル移籍だった。

「試合に途中出場しても時間が短く、なかなか結果が出せない。試合に出場できる時間をもっと増やして、得点に絡める機会をもっと増やさないといけないと思った。もう一度環境を変えて、小さなクラブでいろんな経験をしたほうがいいんじゃないかと思ったんです」

 その決断に迷いはなかった。

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