半年ぶり先発の本田、個偏重スタイルに警鐘 「チームがやりたいことかと言うと違う」

ウクライナ戦で約半年ぶりにスタメンのピッチに立った本田【写真:Getty Images】
ウクライナ戦で約半年ぶりにスタメンのピッチに立った本田【写真:Getty Images】

後半19分までプレーするも、指揮官の標榜する形と本田の考えにズレ

 日本代表FW本田圭佑は、27日の国際親善試合ウクライナ戦で約半年ぶりにスタメンのピッチに立ち、後半19分までプレー。1-2で試合に敗れ、「それがチームがやりたいことかと言うと、明らかに違うと思う」と、バヒド・ハリルホジッチ監督のコンセプトと噛み合わない部分が生じていることに言及した。

 右ウイングに入った本田は中央方向に進出するプレーを活用し、パスを受ける回数も多かった。その一方で、ハリルホジッチ監督は全然、FWに対して「裏を狙うこと」「点を取る、取らせるプレー」と、直接的にゴールに関わるかどうかを重要視する発言を行った。本田の考えと指揮官の植え付けているものにズレがあることは、試合後の本田の言葉からも明らかだった。

「内容、結果とともに向こうに上回られた。対策としては、支配しようとすることが大事で、結果的に守備も良くなると考えたい。一つ一つのプレーの選び方が、より個をさらけ出すようなプレースタイルに今はなっているので、それを消すために上手くチームでカバーするには、試合を支配するということが僕は大事かなと思う。それがチームがやりたいことかと言うと、明らかに違うと思うし、少なくとも融合みたいなものがもう少し見つけられないのかなと」

 ハリルホジッチ監督は2015年の就任以来、より縦に速くダイレクトなプレー選択をチームに求めてきた。23日のマリ戦後にも多くの選手から「蹴れ、蹴れ、と言われても」と戸惑いの声も上がっている。一方の本田は、ボールポゼッションを高めて相手の攻撃機会を削ることで守備の安定を手に入れることが日本に必要という考え方を示した。それは、過去にUEFAチャンピオンズリーグの試合を引き合いに出して、ボールポゼッションは勝利の決定条件ではないと力説した“ハリル節”からも違う方向性になる。

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