「全員がやらせねーぞとボルテージが上がった」

　宇賀神によれば、すでに周囲の選手に対してリーダーシップを発揮し、物怖じすることなく鼓舞していたという。外からプレーを見ているだけでは感じられない、ピッチ上での影響力も完全なトップチームの一員になっている。

　宇賀神は、久保の登場によって「全員が『やらせねーぞ』という球際のボルテージが上がったところがあったかなと。浦和の選手たちは、そういう選手の集まりなので（笑）。ピッチの中でも、そのテンションが上がったのは感じましたね」と、自然と意識が高まったことを明かした。

　そうした厳しいプレッシャーのなかでも、後半アディショナルタイムにペナルティーエリア内でシュートを放った久保。決まれば決勝ゴールという一撃だっただけに、「話題に十分になるところでしたけど、良かったです」と宇賀神は胸をなでおろした。昨季のアジア王者にとっても、久保の存在は脅威になっていたようだ。

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轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images