苦境のクラブを救ったロイスの“おとこ気” 「ドルトムントは僕の町」
「この街に起きたことを一度経験したい」
日本代表MF香川真司の所属するドルトムントのドイツ代表MFマルコ・ロイスが、生まれ故郷にブンデスリーガ優勝の喜びを再びもたらすために長期契約を結んだと告白した。独誌「キッカー」が報じた。
ドルトムントは年明け後、2部降格圏に沈んでいた。だが、今季初のリーグ3連勝で12位に浮上。降格危機に直面していた強豪にあって、エースの契約延長は苦境にあったチームに大きな勢いを与えている。
ロイスは言う。
「優勝こそが僕にとって大きなゴール。この街に起きたことをもう一度経験したいんだ。そのために全力を尽くす。そ のうちに優勝できると強く感じているんだ」
地元出身の25歳の若者は、6歳から16歳までドルトムントの下部組織でプレーしていた。だが、地元クラブのロート・ヴァイス・アーレンに移籍。さらにボルシアMGに移り、その才能を開花させた。そして、2012年に再びドルトムントへと移籍した。
10年、11年シーズンにブンデスリーガを連覇したが、ロイスが加入後はバイエルンに後塵(こうじん)を拝する格好となっている。
ドルトムントはこれまでポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキら主力がバイエルンに引き抜かれてきた。ドイツメディアもロイスが延長交渉に応じず、バイエルンやレアル・マドリード、アーセナルへの移籍間近と報じていた。だが、ロイスは2019年シーズンまでの契 約延長を選択した。
「ここでは誰もうろたえたりしない。クラブも間違った方向に声明を出したりしない。危機的状況の中でもドルトムントのチーム内外に漂っていた静けさこそがこのクラブの強さの証明なんだ。私はボルシアが自分にとって最高の場所なので、延長を決めた。ドルトムントは僕の街。家族もここに住んでいるし、友達もいる。いずれにしてもフットボールが終わった後の人生もここにあるんだ」
そうやって生まれ育った地元に対する深い愛情を何度も口にした。2部降格危機の真っただ中にあったチーム状況での延長発表は、“おとこ気”を示した形となった。ロイスは、ドルトムントとともに生きる決断を下したのだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 t ext by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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