劇的FKゴラッソに「あそこファーか」 キックの名手も脱帽…完璧な一撃「全てが噛み合った」

試合の最終局面で仕留めたFK
湘南ベルマーレは9月12日、明治安田J2リーグ第6節でヴァンラーレ八戸と対戦し1-0の勝利を収めた。決勝点になったのは後半アディショナルタイム(AT)にMF奥埜博亮が放った豪快なFK。現役時代は非凡な左足のキックで観衆を沸かせた日本代表OBの太田宏介氏も、今回のゴールに賞賛の言葉を並べた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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後半AT6分に湘南が迎えたFK。ラストチャンスの場面でキッカーを務めたのは37歳のベテラン、奥埜だった。素早い助走から右足を振り抜くと、ボールは鮮やかな軌道を描き右サイドネット上の「ここしかない」というポイントに吸い込まれた。
太田氏は今回の劇的ゴラッソについて「年間ベストゴールを受賞してもいい」と賞賛しつつ、技術的なポイントをこう解説する。
「まず、すごくいい感じで足がボールにかかり、脱力しつつも体重をうまくボールに乗せることができていました。駆け引きに勝ったのはもちろん、ボールスピード、カーブの幅と落差も完璧で“全てが噛み合った”FKだったと思います」
加えて、太田氏が目を見張ったのが「コース」だ。ファーの選択を「意表を突かれました」と脱帽。自身がプレーヤーとしてピッチに立っていたなら次のように考えていたはずだと語る。
「僕だったら多分ニアポストを狙ったと思います。そのうえで、相手GKが反応できてもサイドネットの内側にボールと一緒に入ってしまうようなキックを選択したんじゃないかと。その方が仮にコースが甘くなって弾かれても味方が詰めることができますし、得点につながる確率は高い気がします。
だからこそ、『あそこファーか』って驚きましたね。ファーサイドに強いシュート打つと、思った以上に大きく枠を外れるパターンが多い。ニアだったら多少ボールを引っかけても何か起きる可能性があると考えるのが自然ですから」
さらに、太田氏は今回のような劇的ゴールが生まれる状況にチーム状態の良さがうかがえるとし、なおかつベテランが決めたことに意義があったとみている。
「奥埜選手のような模範的なベテランが劇的なゴールを決めると、若手も『俺ももっと』ってなるはずです。そういう意味でも理想的でした」
湘南は現在、3勝2分1敗の勝ち点11でリーグ4位につけている。今回のドラマチックな一撃をきっかけにさらに勢いに乗るか注目される。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。























