欧州日本人が見せた「0.0何秒」の秀逸判断 日本代表MFを制圧…光ったサッカーIQの高さ

フランクフルトの小杉啓太【写真:ロイター】
フランクフルトの小杉啓太【写真:ロイター】

小杉啓太がマインツ戦で見せた巧みな守備

 ドイツ1部フランクフルトのDF小杉啓太は9月12日、ブンデスリーガ第3節マインツ戦にフル出場し、3-1の勝利に貢献した。この試合の中で注目を集めたのが、日本代表MF佐野海舟を相手に見せたデュエルの勝利。ゴール前でのピンチを救った一連のプレーについて、代表OBの太田宏介氏が“一瞬の判断”の素晴らしさを絶賛した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 フランクフルトが3点リードで迎えた後半22分だった。中盤右サイドでの細かいパス交換からマインツMFナディエム・アミリが縦パスを供給。ペナルティーエリア内に飛び込んだ佐野が受け突破を試みるも、ここで左サイドに張っていた小杉が一気に身体を寄せ最後は右足のスライディングでコーナーキックに逃れた。

 突破を許せばGKと1対1の決定機、判断を少しでも誤ればPKを与えかねなかったなかで見せた小杉の見事な対応だった。

 このシーンで、太田氏が特に目を見張ったのが佐野の動きに対する小杉の「気づきの早さ」だ。

「パスが出る直前、小杉の左にいた相手DFダニー・ダコスタが右サイドに少し流れました。サイドバック(SB)ってこういう場面だと、どうしても対峙するワイドの選手を気にしてしまいます。しかし、小杉はボールを保持した選手をまずは気にしつつダコスタにも注意を払っていた。そのうえで、一番危険なところはどこかを瞬時に判断しあの絞りの速さを見せたわけですから、すごいなと思いましたね。判断が0.0何秒でも遅れていたら、恐らくファールになっていたでしょう。

これはSBにとってものすごく重要なスキルであり感覚ですが、できない選手はやはり多いんですよ。『ボランチついてこいよ』って人任せにしがちになってしまう」

 太田氏はさらに、出場した試合でこうした高いサッカーIQを見せたプレーで勝利に貢献できたことが「一番の自信になると思うし、チームからの信頼も高まる」と主張。今回のプレーをベースに「活躍を続けてほしい」と期待を寄せる。

 一方で、今後の代表入りへ解決すべき課題はあるか尋ねたところ、次のように指摘した。

「もっと強度が上がるなかで攻撃参加の回数を増やして、“自分の色”を出していってほしいなと思いますね。それができるようになって選ばれれば、A代表が4バックでもしっかり強豪と戦える状況になり、チームとして一皮むける気がしています」

 巧みな守備のスキルはさることながら、小杉は今後、ドイツを舞台に数字の面でも結果を残し続けることができるだろうか。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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