代表OBが驚愕「またバケモノが出てきた」 Jで衝撃デビュー…16歳が見せた“大人”なプレー

横浜FMの三井寺眞【写真:徳原隆元】
横浜FMの三井寺眞【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】鮮烈なデビューを飾った横浜FMの三井寺眞

 明治安田J1リーグ第1節の横浜F・マリノス対鹿島アントラーズ戦が8月7日に行われ、横浜FMの16歳MF三井寺眞が全3ゴールに関与する圧巻のパフォーマンスを披露した。元日本代表DFの太田宏介氏は、三井寺のセンセーショナルな活躍の裏にある「メンタリティ」「超高校級の洞察力」、そしてクラブの育成システムと将来性について語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 2025年シーズンの王者を相手に、6万人を超える大観衆の中で16歳が鮮烈なデビューを飾った。三井寺眞は高校1年生にして先発抜擢され、堂々たるプレーを披露した。開幕ゴールを決めると、その後も2ゴールに関与。彼の登場は、サッカー界に大きな衝撃を与えた。

 この間まで中学生だった高校1年生の選手が、王者を相手に大観衆の前で先発出場する。そのプレッシャーは相当なものだが、太田氏は入場時の三井寺の表情からただならぬ覚悟を感じ取っていた。

「入場のシーンから見ていましたが、フワフワした様子もなく、完全に『戦う目』になっていました。単に試されているのではなく、監督やチームメートから信頼されているからこその堂々とした立ち振る舞いでしたね。あのメンタリティは想像もつかない領域です」

 また太田氏は、三井寺個人だけでなく横浜FMのクラブ方針についても、「争奪戦の末に獲得した才能を、ユース年代にとどめず、上のカテゴリーでプレーさせて能力を引き出し、先発に抜擢する。勝利至上主義で即戦力だけを並べるクラブではなかなかできないことです。クラブ全体で三井寺君を支え、活かす陣形が実に素晴らしい」と、高く評価している。

 すでに地域の子供たちにも大きな夢を与えている16歳は、間違いなく「持ってる星の下に生まれている」と太田氏は絶賛する。

 今年6月に行われたU-16日本代表での活動では、鋭いドリブルや個人技で注目を集めていた三井寺だが、開幕戦では違った一面も見せた。

 先制ゴールのように泥臭くゴール前へ飛び込む姿勢に加え、鹿島のDF植田直通を背負った際の個人技から、前を向いて左利きの天野純を活かしたパスの流れなど、チームの決まり手や味方の特徴を完璧に理解したプレーを披露。太田氏はその洞察力に目を見張る。

「16歳という年齢なら『俺が俺が』とアピールしたくなるのが普通です。しかし彼は自分本位にならず、周りの選手と連携してチャンスを作り出せる。1個先、2個先をイメージしながらプレーできる非常に『賢い選手』です。単にテクニックがあるだけでなく、それをチームのチャンスへつなげる知性を持っています」

 デビュー戦で100点満点以上のパフォーマンスを見せた三井寺だが、プロの世界の本当の勝負はここから始まる。相手チームからの警戒が強まる第2節、第3節以降でいかに高いアベレージを保てるかが今後の焦点だ。

「J1で2年間揉まれて経験を積み、18歳になる2年後の夏に海外移籍する。これが選手としても一番美しいステップアップの形だと思います。18歳で海外へ渡り、そこからワールドカップに出ていけば6回はW杯出れますね(笑)」

「またバケモノが出てきた」。元日本代表にそう言わしめた16歳の才能。日本サッカー界の未来を背負う若きアタッカーが歩み始めた物語から、しばらく目が離せそうにない。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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