J開幕戦で起きた劇的ドラマ「運命の再戦」 31年前を彷彿…繰り返された「美しく残酷なロマン」

2024年の東京Vと横浜FMの開幕戦で劇的結末【写真:松尾/アフロスポーツ】
2024年の東京Vと横浜FMの開幕戦で劇的結末【写真:松尾/アフロスポーツ】

2024年:東京ヴェルディ 1-2 横浜F・マリノス

 8月7日、秋春制への移行によって新たなシーズンが開幕するJリーグ。その歴史を振り返ると、各年の「開幕戦」には数々のドラマや衝撃、あるいはハプニングが刻まれてきた。新シーズンの足音が近づくなか、ファンの記憶に強烈に焼き付いているシーンを振り返る企画「Jリーグ歴代開幕戦の衝撃」。最終回となる第10回は、2024年、歴史のロマンが詰まった31年越しの「運命の再戦」、東京ヴェルディ対横浜F・マリノスの一戦だ。

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 2024年2月25日。国立競技場に、あの日と全く同じカードが帰ってきた。16年ぶりという長いトンネルを抜け、ついにJ1の舞台へと帰還を果たした東京ヴェルディと、リーグを代表する強豪として君臨し続ける横浜F・マリノス。

 今から31年前の1993年5月15日、日本サッカーのプロ化の幕開けを告げた「ヴェルディ川崎vs横浜マリノス」の伝説の開幕戦と、全く同じカードが、同じ国立競技場を舞台に実現したのだ。スタジアムには5万3000人を超える大観衆が詰めかけ、特別な熱気に包まれていた。

 試合は前半7分、いきなりスタジアムを熱狂の渦に巻き込む。東京Vの山田楓喜が、ペナルティーエリア右手前からの直接FKを左足で鮮やかに突き刺し、16年ぶりのJ1での歓喜をもたらしたのだ。その後も東京Vは、持ち前のハードワークと組織的な守備で横浜FMの猛攻を耐え凌ぎ、歴史的勝利は目前に迫っていた。

 しかし、J1の、そして横浜FMの壁は厚かった。後半44分、アンデルソン・ロペスのPKで同点に追いつかれると、迎えた後半アディショナルタイム3分、松原健に左足で劇的な逆転ゴールを叩きこまれ、土壇場で試合をひっくり返されてしまった。

 終わってみれば、スコアは「1-2」。31年前のマイヤーの先制弾と、横浜Mの逆転勝利という展開、そしてスコアまでもが完全に一致するという、まるで台本があったかのような結末だった。

 敗れた東京Vにとっては悔しすぎる幕開けとなったが、両チームの意地と歴史がぶつかり合った90分は、多くのファンの胸を打った。「Jリーグの歴史の重み」と「サッカーというスポーツの美しく残酷なロマン」が凝縮されたこの一戦は、未来永劫語り継がれるべき新たな「伝説の開幕戦」となった。

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