曺監督の新生浦和は「まだ完成していない」 開幕前に見えた「狙いの形」と「甘さ」

浦和はRB大宮と2-2で引き分け
浦和レッズは8月1日にRB大宮アルディージャとのプレシーズンマッチを行い、2-2で引き分けた。曺貴裁新監督の初陣は粗削りな部分も多く、指揮官は「課題や見えてきたものを、来週のガンバ大阪戦までに修正し、積み上げていきたい」と総括した。
浦和は今季に向け曺監督を招聘し、様々な形での議論も呼んだが沖縄県トレーニングキャンプを経てJ1開幕に向け準備を積んできた。9年ぶりに大宮と対戦する「さいたまダービー」となったゲームは立ち上がりに動き、前半11分に大宮がMF豊川雄太のクロスにFWカルリーニョス・ジュニオが合わせて先制。同14分に浦和はハイプレスによりボールを奪ったMF渡邊凌磨がそのままペナルティーエリア内まで切り込んで同点ゴールを決めたが、1分後に大宮はFW泉柊椰が左サイドからカットインして右足シュートを流し込んで勝ち越した。
後半は両チームにチャンスがあるも生かせないなか、浦和はラスト15分ほどで3バックにもトライしてFW肥田野蓮治がPKを獲得。FWオナイウ阿道が狙い、GKトム・グローバーに弾かれたボールを自ら押し込んで、後半40分の同点ゴールにより、なんとか2-2の引き分けに持ち込んだ。
立ち上がりのチャンスを引き寄せたシンプルに相手の背後へ走った選手を積極的に使っていく良さや、渡邊のゴールにつながったプレスなど狙いの形も見えた。一方で、飛び込んで外される場面が続いたプレスもあれば、シンプルに背後を狙おうとするあまりに奪ったボールを簡単に失う場面が続いた面もある。失点場面では、プレスで相手にロングボールを蹴らせながら相手FWにキープを許してしまった部分や、複数人で連動して局面を守る部分に甘さもあった。
このような要素について、中盤でプレーしたMF安居海渡は「正直、まだ完成していないというか。(奪って)1本目を縦につけることは、もちろん良いことだと思います。ただ、周りの状況を見ずに、一人で突っ走っていっても、そこで取られてまた相手の時間になるシーンがありました。やっぱり、ボールをしっかり握る時間も必要です。守備の時も、全部が全部、前から行けるわけではないので、どこかでブロックを組む時間も作らないといけないと思いました」と、ピッチ上での実感を話していた。
そうした良し悪しの双方があったゲームだけに、曺監督も「守る時は身体を張って守る。でも、チャンスだと思ったら相手の隙を突いて攻める。そういうことを自分たちの柱にしながら、積み上げていくしかないと思います。今日の試合を経て、また出た課題や見えてきたものを、来週のガンバ大阪戦までに修正し、積み上げていきたい」と、8月7日のリーグ開幕戦を見据えてまとめた。
新加入したDF林幸太郎、MF笹修大、FW南野遥海、期限付き移籍から復帰のDF工藤孝太といった選手たちがまとまったプレータイムを得て、持ち味を出したところは収穫に挙げられるだろう。G大阪との開幕戦も含め、曺監督が「5試合で勝ち点10を取れれば、リーグ戦では間違いなく優勝戦線に絡めます」と話すスタートを切ることができるかどうか。暑さの厳しい8月に開幕する要素もあるだけに、この日のゲームで出た功罪両面ある部分をどう調整していくか大きなポイントになりそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















