日本のアジア杯「現実的な目標に変えたほうが」 JFAへ提言…大岩監督を「ヘッドコーチという形に」

U-23アジアカップの日本開催決定は「高く評価されるべき」
日本サッカー協会(JFA)は素晴らしい仕事をした。お見事としか言いようがない。
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7月30日、アジアサッカー連盟(AFC)はU-23アジアカップ2028の開催地が日本であると決定した。この大会を日本に持ってきた関係者の努力は高く評価されるべきだ。
U-23アジアカップ2028は2028年ロス五輪サッカーの予選を兼ねている。今回の五輪では男子の出場枠が16チームから12チームに減らされており、アジアの出場枠も3.5か国から2か国に削られる。決勝に進出しない限り本大会に出場できない。
そのU-23アジアカップは2024年カタール、2026年サウジアラビアと2大会連続で中東開催だった。2大会とも日本は優勝しているが、近年日本チームを取り巻く事情は変わってきている。
若くして海外に行く選手が増えているのだ。JリーグでプレーしているのならJFAとJクラブの話し合いで多少の融通は利かせてもらえるかもしれないが、海外クラブにはなかなか通用しない。大岩剛監督が望んでもメンバーが揃わない可能性が高くなってきた。
そんなときに地の利は大切だ。中東で勝つのがどんなに大変か、これまで多くの日本代表が苦労してきた。それを自国開催できるのだから、アドバンテージがもらえたと言える。
JFAにはこの際、この快挙とともに考えてほしいことがある。
1. 来年サウジアラビアで開催されるアジアカップの目標を変えること
7月25日、宮本恒靖会長は森保一監督の続投会見で「我々として重要だと考えているのがアジアカップで優勝するということ」だと、アジアカップ優勝を目標とするために森保監督を続投させたと語った。
だが、2024年にカタールで開催されたアジアカップで明らかになったのは、この時期の中東での戦いで優勝するのは非常に困難ということだ。
まず多くの選手が所属するヨーロッパと気候が違いすぎる。またリーグ戦と並行して行われている大会なので、選手はどうしても自分のクラブが気になる。ポジションを奪われる可能性があるからだ。
確かに大陸連盟のカップ戦はFIFAランクを大きく上げるチャンスだ。今回のワールドカップで、日本はFIFAランクからポット2に入り、ポット1のチームが優先される練習場選びや練習時間で不利益を被った。そこでFIFAランクを上げたいという考えは分かる。
ただし2024年のアジアカップでは準々決勝までの戦いで5.86ポイントが引かれてしまった。今回も難しい大会の中で十分その可能性がある。
だったらこれまでのレギュラークラスを使って優勝を狙いに行くよりも、「日本代表で台頭したい」と願っているがクラブでまだ十分な出番のない若手選手を使った方が、モチベーションとしても招集しやすさとしてもいいのではないだろうか。
ワールドカップの目標を現実的に「ベスト8」と言う宮本会長なので、今からでもアジアカップの目標を若手を使うときの現実的な目標に変えたほうがいいと思うのだ。そうすれば大幅にメンバーを入れ替えて臨めるはずだ。
2. アジアカップは大岩剛監督に指揮を執らせること
厳しいU-23アジアカップ2028に向けて準備を始めるのなら、早ければ早い方がいい。だったらアジアカップの指揮はもう大岩監督でいいのではないか。こんなに長い期間をかけてチームを作れるのは、そう度々あることではない。
確かにもう森保監督にアジアカップまで指揮を執らせると発表した。そこを変えたくなければ、森保監督の下に大岩ヘッドコーチという形にするか、森保総監督、大岩監督にしたらどうだろう?
3. 森保監督のポジションを作る
「雇い止め」が決まっている仕事を請けてくれた森保監督なのだから、監督としての契約が終わったあとのしっかりとしたポジションを先に用意しておくべきではないだろうか。
海外のクラブとのコミュニケーション担当でもいいし、海外のコーチングメソッドをもっと日本に持ち込むためのパイプでもいいし、もちろん本人がやりたいと思っている分野でもいい。適切なポジションを用意しておくことが、せっかくの人材を離さないための策なのは間違いないのだ。
もちろんもう決まっているのかもしれないが、功労者をそのまま放り出すようなことがないようにしないといけないのは、いくつものJクラブを見て思うことだ。
4. 広く会議を興し万機公論に決すべし
そもそも日本が目ざしているワールドカップが今、岐路に立たされている。FIFAランクとかベスト8とかハーフタイムショーとか、そういうレベルを超えている。
国際サッカー連盟(FIFA)が「FIFAフォワード・エンタープライズ(FFE)」を設立し、FIFAが主催する主要大会の運営や商業事業をその事業会社に任せようとしているのだ。
こんな大きな話を大した議論なしに決めようとしていることがそもそも問題だ。その同じ轍を踏まないようにするためにも、JFAにははたしてこの案に賛成するのか、あるいは反対するのか、広くサッカーファミリーに聞いて決断してほしい。
この話は非常に政治的で「どちらについたほうが将来的に有利か」という考え方になってもおかしくはない。たとえばもしUEFAがワールドカップに参加しないのなら、日本が優勝する可能性は上がるだろう。推進派についていたほうが、金銭的にはいいかもしれない。
だけどきっとそうじゃない考えの人も多いはず。今回のFIFAの突然の提案のように、誰にも知らせることなくJFAの方向を決めるのだけはやめておいてほしい。
(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。





















