欧州各国は「いかなるFIFA主催大会にも参加しない」 ボイコット宣言…UEFA怒りの声明

UEFAがFIFAに対して声明【写真:ロイター】
UEFAがFIFAに対して声明【写真:ロイター】

UEFAがFIFA主催大会へのボイコットを宣言する怒りの声明を発した

 欧州サッカー連盟(UEFA)は、ワールドカップ(W杯)や主催大会の所有権と権益を民間投資家へ移転するという国際サッカー連盟(FIFA)の提案について、「全会一致で明確に拒否する」として、FIFA主催大会へのボイコットを宣言する怒りの声明を発した。

 FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、W杯の48チームへの拡大に代表されるような利権拡大の提案を繰り返し、サッカー史に残る拝金主義者としての知名度を高め続けてきた。先日まで開催された北中米共催W杯でも、CM時間の確保や決勝でのハーフタイムショー導入が欧州を中心に批判を集めた。悪目立ちを続けた会長は大会中、ドナルド・トランプ米大統領への過剰なまでの配慮が見え隠れし、アメリカ代表とベルギー代表の試合前にアメリカのFWフォラリン・バログンの出場停止が猶予されたときにはUEFAが非難の声明を出したほどだった。

 そのインファンティーノ会長の次なる提案は、W杯など主催大会の開催権を子会社に譲渡して投資家から資金を集めること。UEFAは「W杯を投資商品として扱うことはできない。それはサッカーにおける最も偉大なスポーツ的遺産のひとつである。何世代にもわたり、すべての大陸の選手、代表チーム、サポーターによって築き上げられてきたものだ。そのいかなる部分も、民間投資家に引き渡されるべきではない。W杯は売り物ではない」とした。

 さらに「サッカーにとってこれほど重大な提案が、秘密裏に構想され、競技を守る責任を託された人々との実質的な協議もないまま、承認寸前まで持ち込まれたことは、無責任であり、弁護の余地がない。これは単なる深刻なリーダーシップの失敗ではなく、世界サッカーの管理者としてのFIFAの責務の放棄である。世界各国の協会は今、最後通告を突きつけられている。これは『民主的な決定』ではない。威嚇による統治であり、世界の競技を守る役割を託された組織にふさわしくない強制行為だ」と、痛烈に非難している。

 そのうえでUEFAは「欧州の立場は明確である。私たちは、このモデルに正当性を与えることは決してない。次世代のために信託されているものを売却する道徳的権限など、誰にもない。本日の議論の結果として、これらの提案が存在し続ける限り、UEFA加盟国の代表チームはいかなるFIFA主催大会にも参加しない。ただし、この提案が完全に撤回され、FIFAがその統治や大会を民間所有に開くことは二度とないという拘束力のある保証が与えられた場合を除いてだ」と、FIFAがこの提案を撤回しない限りのボイコットを宣言した。

 また、UEFAは「組織が評価されるのは、何を受け入れる用意があるかによってではなく、何について妥協を拒むかによってだ。今が、まさにその瞬間だ。売ってはならないほど重要なものがある。W杯はサッカーのものである。これまでも、これからもそうだ。そして欧州に発言権がある限り、それは決して売り物にはならない」と、全会一致で決定したという決断が強固であることを宣言している。

 これまでもFIFAとUEFAの意見が対立することは珍しくなかったが、主催大会へのボイコットを明確に宣言するところまでいったこの事態は、どのように収拾されるのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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