バログン騒動で「誰も勝者はいない」 トランプ介入を現地非難「最も被害を被ったのはファンと選手だ」

アメリカはベルギーに1-4で敗戦しベスト16で敗退
アメリカ代表は現地時間7月6日、北中米ワールドカップ(W杯)のラウンド16でベルギー代表に1-4で敗れた。FWフォラリン・バログンを巡る出場停止処分の撤回騒動が、大きな波紋を広げていたなか、アメリカニュース専門放送局「MS NOW」は前代未聞の政治介入疑惑について論評。「この不名誉な事態に誰も勝者はいない」と綴り、サッカー界の独立性を揺るがす事態に強い懸念を示した。
事の発端は、グループリーグのボスニア・ヘルツェゴビナ戦だった。3試合連続ゴールを決めるなど好調だったバログンは、この試合で先制点を挙げたものの、その後にレッドカードを提示されて退場処分となった。これにより、ベルギー戦への出場停止が自動的に決定。チームにとっては、2002年大会以来となる準々決勝進出を目指すうえで大打撃となるはずだった。
しかし、FIFA(国際サッカー連盟)は内部レビューを経て、バログンの出場停止処分を一時的に停止するという驚きの発表を行った。W杯期間中に下された処分が覆るのは1962年以来という異例の事態だ。この記事のなかで、この決定がドナルド・トランプ大統領をはじめとするアメリカ政府関係者の強い働きかけによるものであることが明かされている。
トランプ大統領は記者会見で、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に直接電話をかけたことを認め、「ファウルだとは思わなかったから見直しを求めた」と発言。一方で「レッドカードが何なのかは知らない」とも付け加えた。FIFAと大統領側は独立した決定であると主張しているものの、この露骨な政治介入の動きに対し、ファンや専門家、世界中のサッカー組織から「アメリカへの偏愛だ」と猛烈な批判が巻き起こっている。
対戦相手のベルギーサッカー連盟は、バログンの出場資格について不服を申し立てたものの、FIFAはこれを却下。バログンはベルギー戦に先発復帰を果たした。しかし、地元シアトルで迎えた一戦でアメリカ代表は1-4と大敗を喫し、快進撃はベスト16で終幕を迎えた。
同メディアは、今回の不透明な決定プロセスについて「組織の透明性が著しく欠如している」と厳しく糾弾。さらに、「アメリカ代表はスターフォワードを取り戻したものの、もし勝利していたとしても、その栄光には不名誉な注釈(ケチ)がつくことになっていた」と指摘した。
バログン自身はレッドカードを受けて以降、メディアの前でも冷静に対応し、子供たちの模範となるような振る舞いを徹底していた。それだけに同メディアは「最も被害を被ったのは、VARの不備や、非常に疑わしいFIFAのレビュープロセスに対して何のコントロールもできないファンと選手たちだ」と締めくくり、政治的な思惑に振り回されたピッチ上の主役たちに同情の光を当てていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)





















