試合前、森保Jに届いた1本の映像 遠藤航が決断…刻み込まれた団結力「みんなは分かってくれる」

遠藤航からメッセージが送られた
日本代表は現地時間6月14日、アメリカ・テキサス州のダラス・スタジアムで、北中米ワールドカップ(W杯)グループステージF組の初戦でオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。試合前にチームを奮い立たせたのは、キャプテンのMF遠藤航だった。ベンチに飾られた背番号6のユニフォーム。無念の離脱を強いられた主将が送ったメッセージは、劇的同点弾を生んだ森保ジャパンを一致団結させた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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「自信を持って戦ってくれ。テレビで見ているから」
試合前のホテル。オランダ戦へ出発する前、1本の映像メッセージが届いた。送り主は遠藤。3日前に負傷によって離脱を強いられ、同時に日本代表からの引退を発表したキャプテンからだった。
響いた。心に刺さった。主将を受け継いだDF板倉滉は「航くんの思いを伝えてくれた。チームの士気が1つ高まった。そういう意味で一緒に戦おう、と」。だからこそベンチにユニフォームを飾った。「背番号6 ENDO」。この日、先発出場でゲームキャプテンを務めたMF堂安律は「このキャプテンマークは遠藤航のものなので」と言った。気持ちの強さはオランダに負けるはずがなかった。
試合は後半6分に先制を許す。だが、同12分にはMF中村敬斗のゴールで同点。だが、勝ち越し弾を許し、2度目のリードを奪われる展開に。それでも、終盤に引いた相手に対して押し込み、FW小川航基のヘディングシュートからMF鎌田大地が頭で逸らしてネットを揺らした。劇的な同点ゴール。意味のある勝ち点1を掴んだ。
3日前、アメリカ・テネシー州のナッシュビル。遠藤はベースキャンプ地を離れた。前日夜に森保監督から離脱を告げられ、決断したのは仲間と会わずに去ることだった。周囲は止めた。キャプテンとしての立場がある。ただでさえ、全てを懸けてきた北中米W杯の目標が断たれたばかりなのに、心無い言葉が届く可能性もある。仲間たちも遠藤の言葉を聞きたいはず。周囲の忠告に首を振った。遠藤が発したのは一言だった。
「みんなは分かってくれる」
それから3日。遠藤は再び決断した。大一番を前にしたチームメイトに“最後”のエールを送ること。キャプテンとして、後押しすること。遠藤からのバトンを受け取った板倉は「航くんのためにというだけじゃないですけど、やっぱあれを機にまたチームとしても結果を出さないとっていう思いは非常に強くなった。この勝ち点1というのをポジティブに捉えたいし、航くんにも見ててくれてたと思うので。そういった意味で掲げました」。試合終了後、遠藤のユニフォームとともにピッチを一周した。イギリスで共に戦っている主将に向けたパフォーマンスだった。
ただ、終わりではない。北中米W杯は始まったばかり。必ず全員で、勝利を積み上げていく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)
















