堂安律が叶えた8年越しの夢 W杯“落選の日”に誓った「10番で主将」…2人の力が宿った腕章

堂安律が10番でキャプテンマークを巻いた
森保一監督率いる日本代表は現地時間6月14日、アメリカ・テキサス州のダラス・スタジアムで、北中米ワールドカップ(W杯)グループステージF組の初戦でオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。スタメンで出場したMF堂安律は8年越しの夢を叶えた。10番でキャプテン——。カタールW杯から4年、攻守に支える大黒柱へと成長した男の8年前の決意に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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そっと顔を上げた。広がる青い芝、耳をつんざくような歓声。W杯の初戦――。堂安は背番号10を付け、キャプテンマークを巻いて、イレブンの先頭に立った。目標にしてきた瞬間だった。
定位置の右ウイングバックで先発。だが、チームは後半6分に先制を許してしまう。主将の堂安がすぐさま集合をかけ、円陣で声をかけた。「失点したあと、得点したあとは集まろうと話をしていた」。同12分、MF中村敬斗のゴールで追いついた。さらに勝ち越し弾を許し、2度目のリードを奪われても、終盤にFW小川航基のヘディングシュートからMF鎌田大地が頭逸らしてネットを揺らし、劇的な同点ゴールで勝ち点1を掴んだ。
「タフなゲームになりましたし、準備したことを全て話し合いながら、失点した後もチームで話しながら、焦れずにやれたというのは技術や戦術とか関係なく、メンタリティー的に非常に成熟したチームになっていると思う。かなり手応えのある勝ち点1だったかな」
ヒーローになった4年前。カタールW杯ではドイツ戦とスペイン戦で途中出場してそれぞれゴールを奪い、主役となった。そして、託された背番号は「10」。第2期森保ジャパンではエースナンバーをつけて自らに重圧をかけてきた。それは1つの夢があったからだ。
遡ること8年前――。ロシアW杯のメンバー発表日だった2018年5月31日、堂安は東京にいた。オランダ1部フローニンゲンに所属していた当時19歳が口にした言葉があった。
「(ロシアW杯メンバーの)ラージには入っていたから、一発逆転で狙っていた。でも、しょうがない。ここから。俺は夢がいくつかあって、CLに出ることだったり。そのなかで1つの夢はW杯で10番付けて、キャプテンやることなんですよね」
フローニンゲンで1シーズンを過ごし、29試合9ゴールで帰国。オフに話していた素直な思いだった。
この日、海外で第一歩を踏んだオランダを相手に夢を叶えた。そして、この主将マークにはまた特別な思いがあった。
「このキャプテンマークは、キャプテンは遠藤航のものなので。それを重く考えるというよりは、自分ができることをやろうと思っていました。すごいポジティブなエネルギーで試合に臨もうと。全てを出し切るつもりでやっていた」
3月、遠藤が不在だったイギリス遠征でチームキャプテンを任された。この4年間、チームのため、日本のためを思って模範的な振る舞いを続けてきたからこそ、森保監督は堂安に絶大な信頼を置いている。ゴールは目指す。ただ、守備も怠らない。この繰り返しを、10番を付けて示すことに意味がある。
左腕に巻いた白い腕章。今回は堂安と遠藤、2人の力が宿っていた。叶った8年越しの夢。そして次なる夢へ——。10番キャプテンは確実に歩を進めていく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

















