鈴木彩艶が「日本を救えるか」 前回W杯守護神が期待する後輩GKの躍動「心から応援」

北中米W杯解説→Jオールスター出場と大忙しだった権田修一
4年前のカタール・ワールドカップ(W杯)でドイツ代表とスペイン代表を破った際、日本のゴールを守っていたGK権田修一は、選手としてではなく、別の形で北中米W杯に関わることとなった。
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北中米W杯の大会2日目となった現地6月12日(日本時間13日)、グループDのアメリカとパラグアイの試合が行われ、アメリカが4-1と大勝した。この試合に権田はDAZNの解説を担当。中継が終了するとMUFGスタジアム(国立競技場)へ移動し、17年ぶりに行われたJリーグオールスターにJ1WESTの一員として出場した。
権田の奮闘も及ばず、2試合ともPK負けとなったJ1WESTだったが、試合後のミックスゾーンで「楽しかったです。こうやってサッカー選手として、サッカー漬けの1日を送れることはすごく幸せだなと思います。勝負事の世界でなかで生きていくのも楽しいですが、W杯もそうですが今日のようにお祭りとして楽しめる日は、サッカー選手冥利に尽きるというか、人生のなかで本当に今日は良い日だなと思います。みんなが楽しんでいる空気感は、最高ですね」と、充実の1日を振り返った。
J1WESTとJ1EASTはともに準決勝で敗れ、3位決定戦で対戦したが、20分があっという間に感じる濃密なゲームを見せてくれた。勝てなかったことについて、権田は日本サッカーのボトムアップを挙げ、「やっぱりJ1の僕らは、この(3位決定戦後のLittle Glee Monsterの)ライブのあとの良い空気のなかで(決勝を)やらないといけなかったですけど、それは逆に言えば、僕らが負けたチームにはエスパルスなんかでチームメイトだった選手もたくさんいましたし、彼らとカテゴリーが違ってもまたサッカーができたのは嬉しいですし、こういうなかで差がなくなってきている。J2、J3の選手も能力が上がっていると証明されたので、来シーズンはまた天皇杯などのカップ戦でも戦うことになるので、そこでは今日みたいにJ2、J3の下のカテゴリーが上にいかないように、僕らはしっかりプライドを見せないといけないと思います」と、気を引き締め直した。
この日、オールスターに出場した選手たちはオフに入り、日本のサッカー界を盛り上げる役割は森保ジャパンに託される。4年前、その一員だった権田は「僕の今大会の仕事は、日本でW杯を盛り上げること。解説の仕事などは、たくさんいただいているので、向こうで携われないぶん、日本のサッカーがもっと強く、もっと人気になるために、自分が今できる仕事をする」と、今夏の自身のタスクを口にする。
「(W杯の)メンバーに入っていたら、勝つために向こうで仕事ができますが、今回はそこに選ばれなかったので、日本にいる立場で自分自身がW杯に前回出て感じた、もっと普段からサッカーのニュースが当たり前に流れるとか。関西で言えば平日ナイターに阪神タイガースの試合は(満員に)入るんですね。でも、ヴィッセルは平日ナイターは観客動員が落ち込むんです。そういうのが『今日はヴィッセルの試合だ』とか、『ヴィッセルの今週の相手は』という会話が、町中で当たり前になるような、サッカーの国になるような手助けを少しでも、このオフの間、W杯期間はチャンスでもあると思っているので。もちろん日本代表がしっかり頑張ってくれないと、そういうニュースは取り上げてもらえないので、そこは全力で僕も応援しますし、日本で彼らが頑張ってくれたニュースを、少しでも多くの方に届けるようなことをこのW杯でしたいと思います」
解説者としても活動する権田にとって、今の日本代表のGK陣はどう映っているのか。「それに関しては、『注目選手は誰ですか?』って言われたら、毎回、鈴木彩艶選手を挙げさせてもらっているんです」と言う。
「これはお世辞抜きに、僕は興味があります。前回大会は自分自身があの場にいて、ただ自分は、Jリーグの清水エスパルスで普段プレーしていて、自分のなかで基準を上げないとと頑張っていました。ただ、彼は世界最高峰のセリエAでやっている。過去にないと思うんです。(川島)永嗣さんが、ヨーロッパのトップリーグでやっていましたが、5大リーグでバリバリのスタメンという選手が出ることは、過去になかったと思うので、純粋にどれだけ彼が日本を救えるんだろうというのは興味があります。チームとしては怪我人が出ていますが、前回大会、僕が出てみて感じましたがやっぱりGKが止めて失点を最少失点に留めれば、点を取るクオリティが日本にはあるので。そこは同じポジションとして、心から応援しています」と続けた。
権田が注目する鈴木をはじめ、GK早川友基、GK大迫敬介ともにW杯は初出場。GKは特に経験がものを言うポジションなだけに、その点は不安視されがちだ。それでも、権田は「彼ら同年代の3人で、練習を見ていても楽しそうにというか、お互いに声をかけながらやっているので。ベテランの経験が必要だとかいう人もいるかもしれませんが、そこは下田さん(下田崇GKコーチ)が『このメンバーでいける』と判断したと思うので、僕は下田さんの判断を100%リスペクトしますし、そこに間違いはないと思っているので。外野はいくらでも、何でも言えますけど、一番内部を知っている下田さんが判断したことは尊重して、だからこそあの3人が今の日本のベストの3人なので、心から応援したいですし、日本のGKが本当に質が高いということを、世界に伝えてほしいなと思います」と、続けた。
実際に、日本はGK大国じゃないかと思わせるほど、GKが充実してきている。今回はW杯メンバーから漏れたが、GK小久保玲央ブライアンはベルギーリーグで3位となったシント=トロイデンの正GKであり、権田にとってFC東京の後輩でもあるGK野澤大志ブランドンは、同リーグのロイヤル・アントワープでクラブの年間最優秀選手にも選ばれた。彼らにも、鈴木とともに欧州でさらなる道を切り開く、開拓者になってほしいと期待を込める。
「この先じゃないですかね。5大リーグの一つ手前のところで活躍できる選手は、すごく今、増えてきていると思うので。ここでもう一個上にステップアップできるか。彼らが活躍することで、今、Jリーグにどんどん出て来ているもっと若いGKのベルギー行きとかにつながっていき、さらにプレミアリーグとか、リーガ・エスパニョーラとか、ブンデスリーガとかにステップアップしていく。僕自身も現役であるうちは目指しますが、今ヨーロッパでやっている選手たちには、本当にやってほしいし、一人の日本人GKとして、応援したいなと思います」
(河合 拓 / Taku Kawai)
















