試合前に突然の主将変更「示せる」 吉田麻也&遠藤航のやり取り…ロッカー室で最後に残した言葉

吉田麻也から遠藤航に繋いだ思い【写真:徳原隆元】
吉田麻也から遠藤航に繋いだ思い【写真:徳原隆元】

遠藤キャプテンの予定が吉田へ急遽変更

 刻んだ127試合目。日本代表DF吉田麻也は5月31日、北中米ワールドカップ(W杯)の壮行試合でキリンチャレンジカップ2026のアイスランド戦でスタメン出場し、14分間プレーした。途中交代の際には「ひと区切り」の吉田へ森保ジャパンの仲間とアイスランド代表による花道で送り出された。偉大なキャプテンが最後に残した言葉とは。北中米W杯へ弾みをつけるラストマッチの舞台裏を紐解く。

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 涙を抑えきれなかった。約4年ぶりの代表ピッチ。キャプテンマークを巻き、愛息を抱いて入場する際には目に涙が浮かんだ。試合開始からフルスロットルで圧倒的な存在感を発揮。交代の直前には鮮やかなサイドチェンジをMF伊東純也に通し、チャンスを演出した。

「バスで見せれてなかったんで、ちょっと厳しいのかなと思ったけど、ダメでもいいかと思って展開しました。決めてくれてたら完璧でしたね。あの時間の中でいろんなことを出すのは難しいですけど、やるべきことに集中しました」

 急遽、1273日ぶりの主将マークを巻いた。前日、森保一監督は公式会見で「キャプテンは(遠藤)航かなと思います」と明言していたが、遠藤が提案。チームメイトや指揮官も賛同したことで実現した。

「僕だけじゃなく、他の選手も監督も含めて麻也さんが代表に貢献してきてくれたことに対してのリスペクトはある。森保さんも多分僕に気を遣ってくれて、キャプテンは自分でという話をしてくれた。でも、せっかく麻也さんも時間をかけてきてくれた。形としてキャプテンマークを巻いてプレーするというのが一番いい、リスペクトを示せると思った」(遠藤)

 試合前のロッカールーム。最初は北中米W杯のキャプテンである遠藤が声をかける予定だった。吉田も「航が話して」と言ったが、遠藤は「麻也さんが話してください」。アイスランド戦のために限定的な招集となった前主将が円陣で音頭を取った。

「W杯をイメージして!」

 吉田が発したのは、チームメイトへの感謝。そして、本大会前ラストマッチとなる一戦が生み出す意味。北中米入り直前の壮行試合でボルテージを最高潮に持っていき、緊張感を持って大会に入れるようチームを締めた。

 交代時には花道が作られた。日本代表の歴史上でも超異例。それほど、吉田が残した功績は大きい。ピッチを去る前、左腕からキャプテンマークを取り、遠藤に巻いた。W杯への思いを託した瞬間だった。

 新旧キャプテンが高め合って歴史を紡いできたからW杯への道も繋がった。ここから先はまだ見ぬ景色を追い求める。吉田が残した「イメージして」の言葉。次は現実にしてみせる。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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