日本代表は”塩試合”も「ポジティブだった」 代表OBが注目した”オプション”「クローザーに適任」

アイスランド代表に勝利した森保ジャパン【写真:徳原隆元】
アイスランド代表に勝利した森保ジャパン【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】日本はアイスランドに1-0で勝利

 森保一監督率いる日本代表は5月31日、北中米ワールドカップの壮行試合としてキリンチャレンジカップ2026のアイスランド代表戦と対戦。FW小川航基のゴールがあり1-0で勝利を収めたなか、元日本代表DF太田宏介氏がこの試合で見えたポジティブな面に言及している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 渡米前最後の一線を白星で締めくくった。日本はカタールW杯以来となる代表復帰となったDF吉田麻也をスタメン起用。そして前半14分に交代となり、日本代表とアイスランド代表の選手たちによる花道がピッチに作られたが、「日本ではこれまでこういうのなかったですよね」と、太田氏は注目した。

「ああいうので結束は強まると思います。吉田選手が日本代表にもたらした功績や、協会が調べてもわからないような現地アメリカの情報をたくさん持っていると思うので。そういう意味では本当にチームが一つとなって、勝つために1%を上げるものをたくさんトライしていくという森保さんの言葉から伺えるような、いい代表活動だったんじゃないかなと思いますね」

 試合の前半はボールを持つ日本に対し、アイスランドはローブロックを敷き守る展開に。日本は決定機をなかなか作らせてもらえずに、0-0で折り返した。「内容的にはいわゆる親善試合というか、あまりリスクをかけずに勝負する、様子を見ている感じだったし、致し方ない状況ではあったと思いますねと」と、膠着状態が続いた前半を解説する。

 そして後半頭からDF瀬古歩夢、DF菅原由勢、DF長友佑都、FW小川航基を投入すると、同42分に途中交代組から試合が動いた。右サイドに入った菅原がゴール前に好精度のクロスを上げると、小川がダイビングヘッドで合わせて待望の先制点を奪った。試合はそのまま終了し、壮行試合で見事に勝利を収めた。

「日本としては、勝てたことはもちろんいいですけど」と、太田氏は前置きしつつ「やっぱり遠藤選手や冨安選手、板倉選手など、ここ最近怪我の影響で長い時間プレーしていない選手が普通にプレーできたのは良かったと思います。まだまだ上がってくると思いますが、やっぱり見てて安定感があるなと。守備もそうだし縦パスの精度、ディフェンスラインでありながらビルドアップのスタート地点になれる配給のセンスは、見てて『あ、やっぱりいいな』って。その選手がいない間は渡辺選手、谷口選手、伊藤選手がいて、そこに戻って来てくれたので、チームとしての底上げに関してはポジティブだったと思います」

 さらに選手個々で見ると、本職ではないが所属クラブでも起用されているボランチで入った瀬古が素晴らしいプレーを披露。メンバー発表会見で森保監督が「板倉は直近の試合をボランチで出ている。瀬古も少し前はボランチでプレーすることが多かった」と、守備陣のマルチ能力に期待を寄せていたなかで、その言葉通りに相手からボールを奪取し芽を摘むと、攻撃でも鋭い縦パスからチャンスの起点となった。

 太田氏も「あそこで守備の蓋として閉じられるし、対人の強さもありますがまず気持ちで負けてないですよね。負けん気の強さを思いっきりプレーで表現してくれる選手じゃないですか。勝っている状況でゲームを締める時のクローザー的にも適任だろうなとも思いましたね」と、森保ジャパンのオプションにもなるとした。

 課題としては前半引いた相手にチャンスをあまり作れず。内容的には崩しあぐね、クロスからの1点のみと、いわゆる塩試合ではあった。

「アクションのところで、やっぱりもっと仕掛けてほしいとかはありますけど」としつつ、「今日のプレーに関しては多分選手60%〜70%ぐらいの力だと思いますし、アメリカに移動してから、そこら辺のところは高めてくれると思います」と、それほど悲観的な試合ではなかったと語る。

 逆に菅原のクロスからの得点シーンについて、「やっぱり菅原選手の一発で得点につなげたところ。彼みたいなクロッサータイプの選手って日本にあまりいないし、引いた相手に対しても、あのように一発で仕留められる力は、小川選手の得点も含めて一つの武器、本番でもオプションになるんじゃないかなという期待は持てましたね」と、本番でも同様な起用法から得点を狙いにいけると期待を寄せている。

 最後に「メンバー選考の時に思っていた選手それぞれのコンディションの差、結構ブランクがあるのかなと思っていたけど、そこまで感じさせないプレーだったのかなと。遠藤選手もプレーできてかなりプラスだったと思いますし、瀬古選手のボランチ起用含めて森保監督の狙い、ワールドカップに向かうなかでいろんなシチュエーションを想定しての起用だと思うんですよね。吉田選手の花道から始めり、いろいろ見られたのですごくいいゲームだったんじゃないかなと。あとは全体的にすごく雰囲気が良さそうだったので、いい形でアメリカに乗り込むことができるんじゃないかなっていう期待感がありますね」と締めくくった。

 日本はこのあとベースキャンプ地となるナッシュビルに移動し、本大会へと準備を進め、14日の初戦オランダ戦へと臨む。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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