ブラジル同組も…優勝を狙う次回開催国 PSGでも絶対的存在“世界一のサイドバック”|モロッコ

W杯3か月前にレグラギ監督が退任、ハキミの状況は?
近年、モロッコは最も躍進を遂げている国の一つだろう。今大会で3大会連続7回目のワールドカップ(W杯)出場となるが、その躍進の象徴が前回のカタールW杯においてアフリカ勢史上初となるベスト4進出を成し遂げたことだ。今年、開催国として戦ったアフリカネーションズカップでも決勝に進出。試合には延長戦の末に0-1で敗れたが、大会から2か月が過ぎてセネガルの優勝が剥奪される形での繰り上げ優勝となっている。
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1998年のフランス大会でグループステージ敗退を喫したモロッコは、その後の20年間、W杯から遠ざかっていた。2018年のロシア大会で20年ぶりの出場を果たし、前回大会では一気に初の4強入りを果たせた背景には、フットボールへの投資がある。
若い選手の育成に力を入れた結果、A代表はカタールW杯でベスト4入りを果たしたが、女子代表、年代別代表、さらにフットサル代表も近年大きな飛躍を遂げている。4年後の100周年大会となる2030年大会は、ポルトガル、スペインとともにW杯を共同開催する国となっており、そこに向けてまだまだ強化を行っていくはずだ。
モロッコ代表は、前回のW杯直前に元日本代表監督でもあるヴァイッド・ハリルホジッチ監督を電撃的に解任。そのときに急遽、指揮を執ることとなったワリド・レグラギ監督が、W杯3か月前にまさかの退任。後任にはモハメド・ワハビ監督が就いた。
ウィダード・カサブランカでリーグ優勝とCAFチャンピオンズリーグの2冠を成し遂げていたレグラギ監督は、将来的にモロッコ代表を率いると見られていたため、カタールW杯3か月前というタイミング以外、代表監督就任は驚きではなかったという。選手達からも厚い信頼を寄せられる監督の下、モロッコは今回のアフリカ予選では安定した強さを見せ、アフリカ最速でW杯の出場権を獲得。最終成績も8戦全勝という文句の付けようがないものだ。
後任のワハビ監督は2025年のU-20W杯でモロッコを率い、準々決勝でアメリカ、準決勝でフランスを撃破。決勝戦ではアルゼンチン相手に2-0の完封勝利で、モロッコ史上初のU-20W杯タイトルを獲得した。
チームは、アフリカ特有の個々の身体能力の高さを持ちつつも、ヨーロッパのモダンな戦術、さらにチームのために戦う規律も併せ持つ。豊富な運動量を見せてハードワークし、全員攻撃と全員守備を体現するサッカーを見せる。
欧州5大リーグでプレーする選手も多くそろえるモロッコだが、そのなかでも突出したスター選手が2人いる。一人目は“現在世界一のサイドバック”とも称されるチームのキャプテンであるDFアクラフ・ハキミだ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)王者のフランス1部パリ・サンジェルマンでも絶対的な存在であるハキミは、圧倒的なスピードと持久力、高いキックの精度で右サイドを支配する。ただし、4月末に行われたCL準決勝のバイエルン戦で太ももを負傷したため、コンディションが不安視される。
もう一人は、スペイン1部レアル・マドリードに所属するMFブラヒム・ディアスだ。モロッコ人の父とスペイン人の母の間に生まれたディアスは、スペイン国籍を取得してスペイン代表を目指す道もあった。実際に年代別代表ではスペイン代表でもプレーして、2021年にはU-21スペイン代表が臨んだリトアニア代表との国際Aマッチに出場したことでスペイン代表のキャップ数も1ついている。
しかし、選手層の厚いスペイン代表にはなかなか招集されなかった。現在もスペイン代表の指揮を執っているルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、年代別代表を率いていたときに指導していたディアスをA代表の監督就任後は招集しなかった。スペインから必要とされなかった一方で、モロッコは背番号10を用意するなど最大限の誠意を持って熱烈にディアスを口説いた。
その結果、2024年にモロッコ代表入りを決断し、3月のアンゴラ戦で代表デビューした。2026年のアフリカネーションズカップ決勝では、PKをパネンカで蹴って失敗もしたが、5得点を挙げて得点王に輝いている。ここまで代表通算24試合で13得点を挙げている26歳は、キレのあるドリブルと得点力で北中米W杯でも主役になりうるタレントだ。
この2人以外にも、カタールW杯時の主力選手たちが多くチームに残っているモロッコは、十分に熟成されたチームになっている。ブラジルとの大会初戦から、その戦いぶりは大注目だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)













