W杯で見れない11人の才能「勿体無さはある」 出場枠が拡大も…大舞台の”価値と残酷さ”

リバプールMFソボスライやニューカッスルMFトナーリらは予選敗退
北中米W杯は多くのスター選手、期待のタレントが参加する。しかし、世界の大舞台で観られないタレントもいる。今回はそんな選手たちを厳選した。なお言わずと知れた世界的なストライカーであり、過去2大会に出場しているロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ/ポーランド)は殿堂入り扱い。なお、すでに代表引退を表明している選手、クラブで活躍が目立つにもかかわらず、本大会に出場する国で直近の招集がされていない選手も対象外とした。
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真っ先に名前を挙げたいのがドミニク・ソボスライ(リバプール/ハンガリー)だ。プレミアリーグ屈指の強度の中で攻撃の中心を担う司令塔は、精度の高いキックと広い視野、さらに自らゴール前へ侵入する推進力を兼ね備える。しかし、ハンガリー代表は欧州予選でアイルランドとのプレーオフ争いに敗れて、本大会出場の可能性を絶たれた。この名手とともに、かつて”マジック・マジャール”と恐れられた古豪の復活は次大会で果たされるかどうか。
もう一人、欧州勢で最も観たかった選手の一人がクビチャ・クワラツヘリア(パリ・サンジェルマン/ジョージア)だ。独特のリズムと緩急を備えたドリブルは、試合の流れを一変させる破壊力を持つ。しかし、ジョージアもスペイン、トルコと同組の欧州予選の壁を越えることができなかった。ただ、クワラツヘリアの他にもジョージズ・ミカウタゼ(ビジャレアル)など、欧州トップレベルのタレントは着実に育ってきており、2030年W杯の欧州予選で、今回のノルウェーのような躍進を果たしてもおかしくはない。
本編から漏れたメインキャストとして忘れてはならないのがサンドロ・トナーリ(ニューカッスル/イタリア)だ。中盤の底でゲームを落ち着かせるレジスタはでありながら、機を見た攻め上がりで試合を決める能力もある。しかし、周知の通りイタリアは欧州予選で敗退。準決勝ではトナーリの見事なゴールで北アイルランドを破ったが、プレーオフ決勝で、ボスニア・ヘルツェゴナに敗れて三大会連続の予選敗退。この名手を世界の舞台で観ることはできなくなった。
そのほか欧州勢ではデンマークの大型FWラスムス・ホイルンド(ナポリ)やチャンピオンズリーグで守田英正の相棒として活躍を見せたモルテン・ヒュルマンド(スポルティング)、左足のキックで後方から違いを生み出すスロバキアのダビド・ハンツコ(アトレティコ・マドリー)、万能型のアタッカーであるウクライナのイゴール・ヤルモリュク(ブレントフォード)といった面々も、残念ながら本大会を逃している。
アフリカ勢からはアデモラ・ルックマン(アトレティコ・マドリード/ナイジェリア)の名前を入れないわけにはいかない。セリエAのアタランタで評価を高めたアタッカーは新天地のアトレティコでも躍動。CLセミファイナル進出に大きく貢献している。スピードと決定力を兼ね備え、局面を単独で打開できる力を持つ。しかし、アフリカ屈指のタレント集団であるナイジェリアもまた予選で安定感を欠き、まさかのプレーオフ敗退となった。
同じくアフリカ勢からはブライアン・ムベウモ(マンチェスター・ユナイテッド/カメルーン)も世界の舞台で観たかった一人。プレミアリーグで実績を積み上げた万能型FWは、複数ポジションをこなしながら継続的に得点へ関与できる点が強みだ。しかしカメルーンもまた予選で期待を裏切り、カーボベルデに不覚を取ると、ナイジェリアとともにプレーオフ敗退を喫した。
さらに南米・カリブ海に目を向けると、久保建英とのホットラインで、スペインの国王杯優勝を支えた右サイドバックのホン・アランブル(レアル・ソシエダ/ベネズエラ)に加え、俊英エフロン・メイソンクラーク(コヴェントリー・シティ/ジャマイカ)も予選で姿を消した。ジャマイカは大陸間プレーオフでコンゴ民主共和国に敗れたが、過去のチームに比べてもタレント力は高かっただけに、勿体無さはある。出場枠が拡大された大会であっても、こぼれ落ちる才能は存在する。その現実こそが、ワールドカップという舞台の価値と残酷さを改めて物語っている。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。





















