ポルトガルでは「道端でもサッカーを」 名門監督が明かす…強さの秘訣「練習ではなく」

「コパ・トレーロス2026」に参加したFCポルトU-13のパチェコ監督が語った
ジュニア年代の国際大会「コパ・トレーロス2026」が今年3月から4月にかけて開催された。馬入サッカー場、しんよこフットボールパークで行われたU13には、ポルトガル1部の名門として有名なFCポルトのアカデミーも参加。決勝戦では鹿島アントラーズのジュニアユースに敗れたが、準優勝の成績を残した。
「悲しいですし、悔しさもありますが、それがサッカーです。勝利のために全力を尽くしました。100%の情熱と、100%の戦術的な強さを持って戦いましたが、鹿島の方が一枚上手でした。彼らにおめでとうと言いたいです。彼らは我々を上回っていました。2回対戦しましたが、彼らが2回とも勝ちました。彼らは優勝にふさわしいチームです。来年こそは彼らに勝ちたいと思っています」
ポルトU-13のルイ・ペドロ・モダス・パチェコ監督は、悔しさを滲ませながらも取材に応じてくれた。予選リーグでは鹿島に0-1で敗れたものの、3勝1分1敗の2位で決勝トーナメントへと進出。準決勝では柏レイソルに1-0で勝利したが、決勝では鹿島に0-3で再び敗れた。ジュニア年代の大会だが、際どい判定に熱く抗議する姿も印象的だったパチェコ監督。旅行気分ではなく、まさに勝利に飢えていた。
「私は彼らをとても誇りに思っています。最後まで持てる力のすべてを出し切ったからです。私は全選手を誇りに思うコーチでありたい。全選手が試合に貢献し、全員がプレーしました。これ以上、望むことはありません。全力を尽くしたからこそ負けたことは非常に悲しいですが、それがサッカーです。対戦相手も我々と同じように勝利を望んで戦っているのです。彼らの方が優れていました。おめでとう。来年また彼らと対戦できることを願っています」
UEFA Aライセンスを持つパチェコ監督は、街クラブで14年間、ポルトで5年間という豊富な実績を持つ指導者だ。サッカーの修士号を取得し、ルゾフォナ大学で教授を務める一面も持つ。エルナーニ・ゴンサルヴェスという街クラブではディニス・ピント(モレイレンセ)、ポルトではロドリゴ・モーラ、マルティン・クーニャ、アンドレ・ミランダら、多くのプロ選手たちを育てあげた。
「我々はあらゆる方法で選手たちを助けようとしています。ピッチ上での役割やポジショニングに関してはサポートしますが、選手の決断そのものには干渉しません。選手たちは自由にプレーし、自由に決断し、その瞬間にチームにとって何が最善かを選択する自由を持っています。我々の指示はすべて、可能な限り良い結果を得る確率を高めるために、チームを組織化することを目的にしています」
指導方針について、「自由」を強調しながら説明したパチェコ監督。「トレーニングでは『ゲーム』を最優先します。とにかく、何度も、何度も、何度もゲームを行います。5対5、7対7、3対3などです。組織立ったプレーをベースにしつつも、選手には自由を与え、自ら決断し、プレーする自由を尊重します」。これこそが個性豊かなスター選手を輩出してきたポルトの伝統だと言う。
「同時に、互いの個性を最大限に尊重します。もし1対1に非常に強い選手がいれば、その長所を伸ばすように育てます。パスが非常にうまい選手がいれば、その特性を尊重します。可能な限り最高の選手を育て上げるために、すべての選手のあらゆる質を尊重しています。これが我々の育成における最大の目的です。選手を尊重し、最高のレベルでプレーするために必要なすべてのツールを与えることです」
そんなパチェコ監督だが、今大会への参加を通じて「日本人選手たちは非常に気に入りました」と驚きもあったと明かす。慣れない時差などもあったとはいえ、鹿島に悔しすぎる2度の敗戦。「選手こそがサッカーの試合を作るのです。彼らのメンタリティは素晴らしいですね。個々の技術も非常に高い。非常にインテンシティが高く、フィジカルも優れています」と称賛の言葉を並べた。
「日本サッカーは正しい方向に進んでいると思います。現在、日本のA代表は非常に競争力があります。現在のような勢いで日本人選手が成長し続ければ、代表チームはさらに、さらに、さらに良くなっていくでしょう。私は彼らのサッカー文化、情熱、エネルギー、そして技術が大好きです。彼らはハイレベルなチームに到達するために必要なものを、ほぼすべて備えています」
では、ポルトガルに日本が追い付くためには何が必要なのか。パチェコ監督に問うと、「『練習』ではなく、サッカーという『ゲーム』そのものを何度も、何度も、何度も、何度もすることです」という答えが返ってきた。もちろん基礎の練習を繰り返すことも大切だが、実戦経験がサッカーの勘を育てるという。
「3対3、4対4、5対5、形式は何でも構いません。プレーする時間が長ければ長いほど、選手は向上します。ポルトガルでは、選手たちは四六時中、道端や学校でもサッカーをしています。一人ひとりのサッカーに費やす圧倒的な蓄積された時間があり、それが成長したときのレベルアップに大きく寄与しています。日本人選手が今以上にプレーする時間を増やせば、将来さらに良くなるでしょう」
そしてもう一点、「ここが次なる壁だと思います」と話すのが、指導者によるトレーニング方法の理解だ。「日本のチーム、コーディネーター、コーチたちが、この2つの側面で成長できれば、日本サッカーのレベルはさらに高まるでしょう」と真剣な眼差しで答えたパチェコ監督。このような面でも育成年代で海外クラブと交流できる「コパ・トレーロス」は、大きな意義があるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)






















