イングランドから「注目されていない」 ケイン封じの焦点…“温存”25歳が見据えたプラン

佐野海舟が見据えるケイン対策
日本代表は現地時間3月29日、ロンドン市内で31日にウェンブリー・スタジアムで行われるイングランド代表戦に向けたトレーニングを実施した。北中米ワールドカップの優勝候補にも挙げられる強敵との対戦を前に、MF佐野海舟(マインツ)は「(対戦相手から)まだ全然、注目されていないと思います。そういう中で自分の力を出せれば隙を突けたり、少しでも上回れるところもあるのかなと思ってます」と静かに闘志を燃やした。
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まだまだスポットライトが当たらない場所に、この男は立っている。だからこそ、海舟の目はイングランドの隙を的確に見据えている。
イングランド戦、最大の焦点となるのは、ケインをいかに封じるかだ。バイエルンやイングランド代表において、最前線に構えるだけでなく、流動的に動き回るケインの捕まえ方は、チーム全体の守備設計が整っていないと簡単には抑えられない。ブンデスリーガの舞台で何度も対峙したことのある25歳は、その難しさを冷静に言語化した。
「チームとして前から行くのか、しっかりブロックを作って守るのかというのを整理してやらないといけないと思いますし、フリーにさせてしまえば、(ケイン以外にも)やっぱり勝負を決める選手がたくさんいるので」
ケインが最終ラインの前に降りてきたとき、誰がどこまでついていくのかは重要なポイントになる。センターバックが食いついた背後を相手ウイングに取られるリスクもある。その受け渡しをどう整理するか問われると、こう答えた。
「(ある程度、対応は)想定しといた方がいいですし、その中で試合になってから柔軟に自分たちで対応するのが一番かなと思います」
事前に準備しつつも、決めすぎない。この一見矛盾するようなバランス感覚こそ、海舟のボランチとしての本質かもしれない。中盤でセカンドボールを何度も拾い、素早い寄せで相手に時間を与えない。華やかさはないが、試合の流れを制御する縁の下の力持ち。その役割を誰よりも深く理解している。
その役割は、組む相手によってさらに明確になる。スコットランド戦での起用法を見る限り、イングランド戦では鎌田大地とボランチを組む可能性が高い。そんな中、パートナーとの関係性をこう整理していた。
「誰が出てもバランスを見ないといけないと思いますし、隣にいる選手との関係性というのはとても大事になってくると思う。大地くんは結構バランスを見てくれる場面があると思うので、自分が行けるところでは迫力を持っていく方がやりやすいと思います」
鎌田がバランスを取ってくれるなら、自分が前に出る。二人の間に生まれる暗黙の役割分担が、チームに推進力をもたらすことは間違いない。細かく言語化されているわけではないが、互いの特性を把握した上での信頼関係がその言葉からは滲み出ていた。ハイプレスをかけてくる相手に対しても、まず裏へのボールで相手を押し下げ、そこから中盤のスペースを活用する。縦への鋭さと横のバランス。鎌田との連係が機能すれば、イングランドの守備ブロックにも亀裂を生じさせることができるはずだ。
スコットランド戦、海舟はピッチに立たなかった。中2日で迎えるイングランド戦を見据えた温存と言っていいだろう。それだけ、この一戦に懸けるスタッフ陣からの期待の大きさが伝わってくる。
注目されていない、と海舟は言った。だが、それは謙遜でも自嘲でもない。スポットライトの外から、静かに、しかし確実に牙を研いできた男の本音だろう。ケインを中心とした世界屈指の攻撃陣を相手に、佐野海舟は決めすぎず、しかし準備は怠らず、中盤から試合の流れを手繰り寄せようとしている。
(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)













